導入事例
株式会社スカイディスク 様

スカイディスク 日本FLOWの協業でAIに不可欠なアノテーション ーAI外観検査をより手頃なコストで提供へー

AIカテゴリー アノテーション

企業名株式会社スカイディスク

業種・業態製造業に特化したAIベンダー

企業規模-

導入サービスFLOW AI データラベリングサービス

 

株式会社スカイディスク セールス&マーケティング部 西小野 健志 氏
株式会社スカイディスク PM部 滝内 芽 氏

 

製造業を中心にAIを活用したDX支援を行っている株式会社スカイディスクは、アノテーションサービスを提供する日本FLOWと協業し、新しいパッケージサービスの提供を開始した。

日本FLOWが提供するアノテーションは、AIで機械学習を行うための正解データを示す作業だ。正確な機械学習を行っていくためには必要不可欠だが、手間がかかる地味な作業であり、あまり日が当たってこなかった。スカイディスクは、アノテーションの重要性を理解し、内製で行ってきた作業を日本FLOWに発注することで、これまでよりも多くの案件の対応が可能となった。

スカイディスクが日本FLOWと提携することで開始する新サービスとはどんな内容なのか。そして日本FLOWが提供するアノテーションサービスはどんな特徴を持っているのだろうか?

 

[会社概要]
株式会社スカイディスク
福岡本社:福岡県福岡市中央区舞鶴2-3-6 赤坂プライムビル4F
東京本社:東京都千代田区九段北4-3-32 一口坂TSビル4F
代表取締役社長 兼 CEO:内村 安里
事業内容:AI活用によるDX支援

 

製造業を中心にAIで高い実績を持つ
スカイディスク

スカイディスクは2013年に福岡県で誕生したベンチャー企業だ。創業当初はIoTセンサー・デバイス開発に取り組み、直近ではAIを活用したソリューションを提供している。「本社が福岡県にあるAI企業は珍しいですが、現在は東京、大阪、名古屋にもオフィスを構え、全国各地のお客様とお取引させていただいてます」(スカイディスク 西小野健志氏)

スカイディスク 西小野健志氏
(画像出典/ スカイディスク )

 

ここ数年は、スマートファクトリー化の流れを受けて製造業の課題解決に注力してきた。製造業におけるAIは、設備や開発製品、工数管理などあらゆる関連データをAIで解析することで、工数短縮による省人化、品質の維持・向上、機械の異常検知、故障予測など、さまざまなメリットを生み、各種の業務改善が期待される。熟練者の勘や経験に頼る“匠の技”をデジタル化して次の世代に継承していく手法としても注目が集まっている。

そうした各社ごとの業務課題に、それぞれ最適化したAIソリューションを提供し、業務改善を行うのがスカイディスクである。現在までに200以上のAI導入案件に関わってきたが、その実績を強みに小売や物流など別業種へも分野を広げるなど着実に事業を拡大している。

「AIは自社開発したものを活用しています。製造業の知見があるエンジニアが、お客様の課題を理解した上で、その課題に適したAIを開発できることを強みとしています」と開発を担当するスカイディスクのPM部の 滝内芽氏は話す。

 

内製ではコスト的に折り合わなかった
アノテーション

順調にビジネスを拡大するスカイディスクだが、企業にAIを導入していく中で大きな課題となっていた処理がアノテーションである。アノテーションは、AIにデータを学習させる際に、その学習データにラベル付けする作業を指す。

「作成するAIモデルにもよりますが、弊社が受ける案件のうち多くはAIモデル作成にあたって、正解となる教師データが必要となります。多くはお客様で教師データをご用意いただきますが、お客様の課題や作成するAIモデルによっては、より緻密なアノテーションが求められるため弊社側でアノテーションをすることもあります。その場合、お客様に知見を頂きながら、AIモデルの特性を考慮した上で細かいポイントに気を配って作成する必要があり、その作業に多くの時間を費やしています。」(滝内氏)

スカイディスク 滝内 芽 氏
(画像出典/日本FLOW)

 

AIと聞くと、AIにデータを与えれば勝手に学習を進めていくイメージがあるかもしれないが、実際には単純にデータを与えても何も進まない。必須となるのが、そのデータが何を意味しているのかを提示する「教師」データだ。

例えば、画像データ内の白、黒、赤、青のうち、「正解は白」と指示することで白を正解として学習が進む。ところが実際には鮮明なものばかりではなく、うっすらと赤が混じった白は正解か、指定した部分をはみ出した白い箇所は正解か、どこまではみ出したものが正解として認めるのか、といった詳細なデータが「教師」となる。

お客様がAIによって解決したい内容によっては1ピクセル単位の細やかさが必要で、そのような場合はかなり緻密な作業が求められる。

「当社の実例では、例えば画像セグメンテーションモデル用のアノテーションの作業は、、当社のエンジニアが行っても1枚の画像教師データ作成かかった時間は1枚あたり1時間にもなった案件もございます。」と滝内氏は実態を明らかにする。

スカイディスクはAIを扱うデータサイエンティストは多く抱えるものの、アノテーション専門に行うスタッフはいなかった。そのため、「当社のデータサイエンティストがアノテーションを実施することになると、お客様が求めるコスト・スケジュールとの折り合いがなかなか付きませんでした」(西小野氏)という。

“低コストで、迅速にアノテーションを行うパートナーが必要であることは明らかだった。”

日本FLOWの品質の高さを評価

そんなときに紹介を受けたのがアノテーションを専門に行う日本FLOWだった。

トレンドマイクロ株式会社の代表取締役会長であるスティーブ・チャンによって創立された台湾FLOW Global Inc.の日本法人だ。FLOWのデータラベリング事業は、2013年の台湾初となるBIM(Building Information Modeling)事業からスタートし、2018年にはAI事業へと拡大した。現在では台湾No,1の学習データラベリング専門企業として評価され、数々の実績を作ってきた。

「日本FLOWと他社の2社にテストとして5枚の画像を渡して画像アノテーションをお願いしました。あくまで試験的にということでしたが、日本FLOWからは迅速に結果が返ってきたことに加え、品質的にも満足いく結果でした。他社から返ってきた結果は、品質的に実用できるものではありませんでした」と西小野氏は明らかにする。この結果から、

“「本番環境で利用するアノテーションをお願いできると判断しました」(西小野氏)と、スカイディスクと日本FLOWの協業が決定した。”

(画像出典/ スカイディスク )

 

FLOWは、ラベリングを行うアノテーターから、AIコンサルタント、AIエンジニア、データ品質管理者、アノテーションツールまでをすべて自社で賄い、お客様からのオーダー毎にプロフェッショナルチームを編成している。

強固なセキュリティ環境の中で学習データ作成、品質管理、アフターフォローまでワンストップで行う。アノテーションのプロフェッショナルチームとして、顧客が望む最適なアノテーションルールを制定し、品質管理を徹底することで、クラウドソーシングでは得ることが難しい安心感と、ばらつきのない高精度の学習データの提供が可能となっている。

(画像出典/日本FLOW)

さらに、大きな社会課題となっている、障がい者雇用推進を実践していることもFLOWの大きな特徴だ。働く意欲のある在宅障がい者をアノテーターとして育て、データラベリング分野において雇用機会を創出することで、社会的課題の解決、社会的影響力の実践に取り組んでいる。

滝内氏は「最初に事前説明はあったようですが、私自身はFLOWがどんな人材を活用しているのかは全く知りませんでした。テストでの精度の高さ、納品までの時間の短かさといった成果で採用すべきと考えています。最初に成果を見ているので、障がい者アノテーターへの不安は全く感じていません。むしろ、障がい者の方々の特性を活かした作業と知って驚きました。社内では対応が難しかったアノテーションをお願いできる、信頼できる会社という印象を持っています」と成果をもとに評価する。

データサイエンティストだけが
AIに必要な人材ではない

スカイディスクが日本FLOWとの連携に期待を寄せているのには理由がある。現在、パッケージサービスを展開している外観検査分野へのAI導入に、日本FLOWとの連携が必要だという。

「外観検査へのAI導入には、正しい画像を教え込む画像アノテーションが不可欠になります。以前からニーズがあることはわかっていたのですが、社内にアノテーションを専門に行う体制がなかったことから、過去にはご要望をいただいてもお断りせざる得ないケースもありました。」

“「現在は、日本FLOWと連携することで、中小企業のお客様も含めて外観検査分野でのAIシステム構築を請け負うことが可能となりました」と西小野氏は新パッケージサービスへの期待を口にする。”

(画像出典/スカイディスク)

 

アノテーションはAIには必須のものだ。しかし、AI、機械学習といったキーワードだけを聞いていると、アノテーションのような人手を使って地道に正しいデータを教える作業の存在はあまり知られていない。それに対して西小野氏は、

「企業がAIを活用するために、データサイエンティストが脚光を浴びますが、実はアノテーションを行う人材もAI活用には不可欠だと思います」と断言する。

スカイディスクではこれまで1ラインあたり数千万円だった外観検査へのAI導入について、「パッケージ化して提供することで、数百万円単位からの提供を想定しています。これまで外観検査へのAI導入は、予算的に大企業に限られていました。数百万円規模になれば中小企業でも導入することが可能になると思います。そのために、低コスト、高品質でアノテーションを実現する日本FLOWとの協業が必要になります」(西小野氏)と戦略的な事業とすることを計画している。

外観検査AIパッケージサービスによって、これまでコスト面で導入を諦めていた中小企業にも、AI導入のチャンスが生まれる。日本FLOWとの連携は、スカイディスク、そのユーザー企業に至るまでそれぞれにメリットがある事業となっていきそうだ。

 

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