導入事例
楽天証券株式会社 様

こうすればお客様に喜んでいただける、使っていただけるというイメージを具現化

AIカテゴリー チャットボット

企業名楽天証券株式会社

業種・業態インターネット専業証券

企業規模200~599人

導入サービスENOKI5.0 Enterprise

 

楽天証券株式会社
山田 達也(フィンテック本部本部長)
落合 真依子(フィンテック企画部リーダー)

アイフォーカス・ネットワーク株式会社
川口 岳(営業本部長)
伊藤 純一(技術本部長)

チャットボット導入の背景

山田
いまどこの金融サービスも電話のコールセンターがあると思いますが、夜中や土日などの時間的な対応、またそもそも電話をかけるのに抵抗感のある方へのチャネルとしてチャットボットが有効だと考えました。お問い合わせ数は季節的な変動も大きく、その対応はお客様の満足度に直結するので、コールセンターの人員配置は経営的には実に悩ましい問題なのです。また商品知識の習得にトレーニング期間も必要で、かなりの労力となっています。

川口
とはいってもお客様への対応に機械を導入するのに不安はありませんでしたか?

山田
若い人だと電話は面倒くさいとか、ちょっとした隙間の時間で確認したいというニーズが多くなってきています。ただ電話も絶対にゼロにはならないので、双方平行して稼働することによって、より多くのお客様にご満足いただけると考えています。

落合
あと、毎日何度も繰り返し聞かれる事柄については、機械が一時対応することで、本当にヒューマンケアが必要な方にもっと時間を割くことができます。

伊藤
金融などは複雑な部分や特殊性もあると思いますが、その辺のハードルはありましたか?

山田
僕らはお問い合わせ内容を難易度や重要度からカテゴリー分けをしていて、例えば口座に関する内容や本人確認が必要なもの、また注文に関する内容についてはまだチャットボットでの対応は難しいですね。ごくごく一般的なところの対応が現状です。

チャットボットの立ち上げ

川口
いつ頃から個人型確定拠出年金(イデコ)のチャットボットの立ち上げを計画されたのですか?

落合
2017年の10月にキックオフし、リリースできたのが2018年の5月25日でした。

伊藤
やはり様々なAIエンジンを比較検討されたのですか?

山田
楽天グループ内では、ECと金融グループは別のAIエンジンを使っており、金融グループは御社のQlofune(クロフネ)を導入しておりましたので、将来的な連携も見据えて僕らもQlofune(クロフネ)を導入いたしました。

川口
導入まで数年というケースも珍しくはないですが、なぜこのように短期間でリリースができたのですか?

落合
それは個人型確定拠出年金(イデコ)にのみ絞ったスモールスタートだったからだと思います。立ち上げには学習データの準備、データの改修、言い換えのパターンも必要です。それをすべての金融商品でやるとなるとやはり数年単位になってしまいます。そこでまずはAIというものを導入し、それを運用するというナレッジを取得することを第一の目標とし、とにかくショートタームでのリリースを心掛けました。リリースしないとお客様の反応も分からず、AI自身を学習させることもできないので、まずはリリース先行で進めました。運用しながら改善していくことで、よりお客様の期待に沿うものにスケールアップしていくつもりです。

立ち上げの際の苦労

伊藤
立ち上げでは、どのような点でご苦労されましたか?

山田
新しい取り組みなのでどこが仕切り、どのように運用していくのかの決定が大変でしたね。

川口
コスト面と成果の折り合いでご苦労されましたか? その辺は計算しにくいところなので。コール数が減るのはどこのタイミングなのか、どこの機能までいけばそのブレイクポイントが来るのか。

山田
うちはコール数が極端に減るとは思ってないんですよ。楽天グループでチャットボットを導入した時も急には減っていないので。チャットからの問い合わせが増えている、ただそれで良いと思っています。チャットで問題解決したというエクスぺリエンスを獲得した人が増えれば、この先、問題がある時にはまずチャットで検索する世の中になる。その時には電話も減っていると思います。着目すべきは、コール数の減少ではなく、チャットを通じた新しいタッチポイントの増加だと考えています。

川口
日本の企業では、導入1〜2ヶ月でコール数は減ったのかと役員会でなりがちです。そこで悩まれている担当者は多いと思います。

山田
あとAIは初めから何でも出来るというイメージがあり、次には「暴走したら」という話が出てきます。うちではデモ機を実際に使ってもらう社内リリースを半年で2回しました。テストでは、例えば主婦とか属性を設定してデモをやってもらい、そこで出てきたものをインプットしてチューニングをしていきました。

伊藤
そのような検証プロセスは、通常行われている手法なのですか?

山田
新しいシステムに関しては、アジャイルで進めていますが、これは当社でも新しい試みだったので、受け入れてもらうのが大変でした。

川口
でも御社からはそんな大変さは感じなかったですよ。

山田
いや、他社同様にありますよ。ただ楽天カード、楽天生命が先行していましたので、その情報を共有し、マネジメントを説得する材料に使わせてもらいました。これはグループとしての強みですね。

川口
フィンテック事業部が前面に立ってくださって、技術面を含め各事業部さんの悩みを吸収していただいたおかげで、我々としてもとてもスムーズに進行できたと思っています。

山田
色々なセクションが関係する時は、先にコミュニケーションパスを決めます。この案件は誰が表に立つか、コミュニケーションのルールを決めて動くと混乱も起こらないんです。

川口
弊社のお客様は上場企業ばかりですが、大企業であると関わる人数も増えるので、混乱も起きやすいんです。

落合
誰も見たことのないものを言葉で説明するのは難しいので、まずは触って意見を言えるものを作ります。そうやって多くの人を巻き込み、どうしたら良いものになるかを一緒に考えていきます。私もチャットボットを100%理解してスタートしたわけではありませんが、御社や多くの人と関わることで技術や製品について学び、進めてきました。
先日、個人型確定拠出年金(イデコ)のチャットボットをリリースしましたが、ただそのカンバセーションフローはキックオフ当初に作成したものからは大きく変わらなかったですね。こうすればお客様に喜んでいただける、使っていただけるという当初のイメージは具現化できました。

伊藤
そこがブレないのはすごいですね。

その先、未来への展望

川口
最後に御社のAIを通じた展望をお聞かせください。

山田
チャットでの問題解決を増やし、セルフラーニングでチャットボットの精度を高めていくことを目指していきます。
さらに金融全般でコンシェルジュ的なサービスを提供し、お客様の音声に対して音声で会話ができる未来も考えています。

川口
ここ1年ぐらいのスパンで見るとどうですか?

落合
もっと自動応答できる領域を増やしていきたいですね。いまはスマートフォンアプリのLINE(ライン)がチャネルですが、スマートフォン、パソコン用のサイトにも設置をして、オールマイティに応答できるサービスを提供していきたいと思っています。

川口
我々もそのようなニーズにお応えできるよう、しっかりキャッチアップしていきます。

 

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