導入事例
株式会社サムシング様

現場のスペシャリストが匠の技を教え込み、わずか2か月で2~3年目レベルの能力を獲得。AIによる地盤診断を全社活用

AIカテゴリー 画像認識・画像解析

企業名株式会社サムシング

業種・業態地盤調査

企業規模200~599人

導入サービスEinstein Vision

 株式会社サムシング

株式会社サムシングは、地盤調査・地質調査・土地改良工などを行う地盤の専門会社です。

サムシング創業当時(1997年)、不正を行う地盤業者が多く存在しましたが、 サムシングが不正を防止する機能を開発し、地盤業界を大きく変えました。 「地盤業界の透明化」を掲げ、革新的なサービスを展開して20年以上! お客様に信頼されて、年間施工数は全国21拠点で30,000件以上に達しています。

業務上の課題や目的

 ●設計、営業、事務など全社で使えるITプラットフォームが必要

●効果的な情報の蓄積と活用、および社内コミュニケーションと業務フローの強化

●工事品質を担保できるスペシャリスト育成の難しさ ・改良済み地盤の試験プロセスで2週間の期間が必要

Einstein Visionを導入した効果

●画像から瞬時にNG判断を完璧にこなせるAIを完成。今後はさらに学習させ、スペシャリストに近づけていく

●AIで30秒~1分の診断が可能に。外部の試験機関に委託する費用負担も軽減された

 


 

いまのSalesforce Einstein Visionは、学校で勉強してきて入社したばかりの段階にあります。

ようやく社会に出たわけですから、どんどん力をつけていってもらいたいですね

取締役 技術本部 本部長 兼 品質管理部 調査部 部長 佐藤 公一郎氏


SalesforceのAIを試してみたい

株式会社サムシング(以下、サムシング)は、地盤改良工事に強い建設業者だ。戸建住宅から10階建て以下のビルやマンション、工場、店舗まで、“基礎工事部分より下” の地盤を安定させる独自の技術とノウハウを持っている。国内は全国をカバーし、ベトナム・ホーチミンにも進出。フィリピンのオフショアを利用するなど、海外展開にも積極的だ。

同社は、2015年よりSalesforceを利用してきた。営業部門がSales Cloudを活用し、ライセンスはほぼ全社員が持つ。顧客管理、設計・施工管理、事務など、バックオフィスを含めた業務のあらゆる場面で Salesforce を 利 用 す る。Chatterを使ったコミュニケーションも盛んだ。営業と現場の情報は、すべてSalesforceに蓄積されている。

佐藤 公一郎氏は、「もはや、私たちがSalesforceに管理されていると言えるほど、お世話になっています。そのSalesforceがAIを始めたと聞いて、試してみたいと考えました」と話す。

Salesforce Einstein Visionは、画像認識に特化したAIだ。それを、地盤改良工事における品質検査「全長コア」の一次判定に使えるのではないかと考えたのだ。

全長コアは、改良後の地盤をボーリングで抜き取ったものだ。確実に改良されているかどうかを試験するサンプルとして1メートル単位で木箱に保存し、試験機関に送ることになる。重要なのは、試験機関に送る前に “2次判定である強度試験ができそうか”を判断すること。その場で不良がわかれば、改良工事をやり直したり、ボーリングでより良いサンプルを取得したりするなどの判断を下せる。試験機関の検査には最低でも2週間の時間を要する。現場でOKと判断してしまい、着工して試験機関からNGが出た場合、基礎を撤去してやり直さざるをえない。

しかしながら、「地盤が大丈夫か」、「検査機関に送るに値するサンプルを採れているか」を判断できるスペシャリストは少ない。同社でも、確実な判断を下せるレベルにあるスペシャリストは5人しかおらず、彼らがすべての現場を回ることは現実的でない。人材が育つまでには、最低でも5年。さまざまな現場を踏み、経験を積まなければならないという。

先進的な取り組みとして、ものづくり助成金に採択

Salesforce Einstein Visionに求めたのは、スペシャリストに代わって正確な判断を行うことだ。2018年 8月、PoCを開始。約2か月のPoC期間において、「良い全長コア」と「悪い全長コア」を ス ペ シ ャ リ ス ト が 選 び、そ れ をSalesforce Einstein Visionに教える教師あり学習を実施。さまざまな角度から検証を行なった。工夫を重ね、「使えそうだ」という結論が出た。社内予算を確保してプロジェクトとして立ち上げ、同時に中小企業庁の「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」を申請。助成対象として採択された。

「公募に申し込んだことは何度もあるのですが、採択されたのは創業して初めてのことで、社内でも驚きをもって受け止められました」(佐藤氏)

プロジェクトは、現場で使うAndroidアプリを完成させることが主目的だ。品質管理部 オフショア・商品開発担当 伊藤 なつみ氏は、「MARCRAY(マルクレイ)という名前をつけました。検査結果でOK(○)になるように “マルをくれ” というシャレです」と話す。

並行して、実際に現場で写真を撮ってもらい、Salesforce Einstein Visionにかける試験も行った。現場のスマホカメラで撮る写真を均質化することで性能は正しく発揮される。ところが、実際にやってもらうと、写真品質にばらつきが見られた。そこで、現場の担当者をナビゲートするため、アプリ画面に「影が映らないように写真を撮ってほしい」など細かなリクエストを入れるようにした。

AIエンジンは、PoCで完成させたものを そ の ま ま 使 っ た。Salesforce Einstein Visionに写真データを渡せば、OK/NGを判断してくれる。判断基準は「OK判断したものは試験に通らなければならないが、NG判断したものが実はOKであっても仕方ない」と厳しめに設定。試験期間内に、OK判定で試験に落ちたケースはなかった。

アプリは2019年2月、現場へと展開されたばかりだ。いまでは、数々の現場で撮影された全長コアの写真を処理し、正確に判断している。検査にかかる時間は、わずか30秒~1分だ。

同社は将来、この仕組みをアプリケーションとして外販することも計画している。同業者や元請けになるゼネコン、地盤まで責任をもってやりたい建築士など、求められる市場は大きい。

「せっかく作ったすばらしい仕組みです。私たちだけが使っていても、世の中に広まりません。いいものはみんなに使ってもらいたいと考えています」(佐藤氏)

Salesforce Einstein Visionの能力そのものも高めていく。佐藤氏は、「いまのSalesforce Einstein Visionは、学校で勉強してきて入社したばかりの段階にあります。ようやく社会に出たわけですから、どんどん力をつけていってもらいたいですね」と話している。

この導入事例を読んでいる人におすすめのAIサービス