AIsmiley Magazine

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業態業種別-AIの導入活用事例-

最終更新日:2019/11/8

販売機会ロスとコスト削減を両立する、アパレル業界でのAIによる需要予測と在庫管理システム


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少子高齢化やマス広告の減退、嗜好やライフスタイルの多様化、長引く不況による若年層の購買力低下……など、アパレル業界では「服を作っても売れない」という状況に陥っています。また、こうしたアパレル品を取り扱う百貨店業界もネット通販やSPA(製造小売り)企業の台頭で低迷しており、業界は大量の在庫を抱え、苦境にあえいでいます。そうした中、近年アパレル業界で注目されているのが、AIによる需要予測と在庫管理システムです。

■アパレルSPAのストライプ、AIによる需要予測と在庫適正化を目指す

アパレル業界が抱える課題にメスを入れるのは、ストライプインターナショナル。女優の宮崎あおいさんを起用したCMでおなじみの「earth music&ecology(アースミュージック&エコロジー)」など、若い世代の女性向けファッションブランドを展開しています。

同社では2019年度の事業計画の目玉に、AIを活用したデータ分析の強化による仕入れ高の大幅削減を掲げています。2018年に主力ブランドの「earth music&ecology」でAIによる在庫最適化の検証を実施したところ、値引き率が大幅に改善され、利益が2倍に跳ね上がったといいます。

この結果を受けて、今年は全ブランドでAIによる需要予測や発注の適正化、値引きの適正化を実施し、仕入れ高のさらなる削減を目指します。無駄な在庫を持たないことで、値引き率を抑制し、粗利の向上も見込めるといいます。

同社は昨年、ソフトバンクと合弁でECサイトを立ち上げました。百貨店で売られているファッションブランドを中心に、600ブランドの商品6万点の販売をスタート。小売りのノウハウを持つ三越伊勢丹ホールディングスの大西洋前代表取締役社長を社外取締役に迎えるなど、事業強化に乗り出しており、今年は1200ブランドまで取り扱いを広げる計画を立てています。

同サイトでは、WEB接客ツールやチャットボットを活用。顧客のサイト閲覧履歴や購入履歴をもとに需要予測や顧客対応に生かします。加えて、衣料品の試着サービスやパーソナルスタイリングサービスなどの特色あるサービスもとりそろえ、顧客の利便性向上を図るそうです。

(参照:fashionsnap.com アパレル業界の課題にメス、ストライプインターナショナルが仕入高350億円削減で在庫問題解消へ)
(参照:日経XTECH 百貨店に新たな破壊者、1000億円を目指すソフトバンクとアパレル大手)

 

■ECとリアル店舗双方で在庫管理や需要予測に基づいた生産計画を共有することが重要

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アパレルを始めとする小売業界では近年、リアル店舗とオンラインを融合するO2Oマーケティングやオムニチャネル化がさかんに叫ばれました。

しかし、ストライプインターナショナルの石川康晴社長は「オムニチャネル化は失敗した」と指摘。リアルとテクノロジーを組み合わせた「ニューリテール」構想が大切だといいます。リアル店舗でしっかりとブランドとのエンゲージメントを高めた顧客に、リアルとECどちらでも購入できる環境を提供するためには、ECとリアル店舗での在庫管理情報の共有や、需要予測に基づいた生産計画が欠かせません。そのため同社では、ECと小売店舗の在庫統合により、消化率の向上にも取り組んでいます。

(参照:異端会議 これぞ小売革命!ストライプインターナショナルが描く、ニューリテール構想)

 

■次のトレンドを作るのはビッグデータと需要予測AI

アパレル業界で「売れ筋」商品を先読みするための取り組みに、AIを駆使したベンチャー企業が続々参入しています。

株式投資のテクニカル分析のように、アパレルの過去の販売データから「次シーズンは何が売れるか」という需要予測を立てることが可能となっており、ストライプインターナショナルのように、実際に在庫率や利益の改善といった結果を生み出しています。

アパレル業界では長年、「クラシック回帰」「ゆるふわがトレンド」というように、デザイナーやクリエイターなどの「人の力」による需要予測やトレンド作りが行われてきました。ビッグデータとAIによる精緻な分析が可能となった現代、次のファッションの流行を作るのはAIということになるのかもしれません。

 

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