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業態業種別-AIの導入活用事例-

最終更新日:2020/1/15

機械学習の導入でますます精度が向上する需要予測システム【アサヒビールとスシローの導入事例】

  • 編集部記事

機械学習の導入でますます精度が向上する需要予測システム【アサヒビールの導入事例】|AI・人工知能製品・サービスの比較一覧・導入活用事例・資料請求が無料でできるメディア

製造業・小売業の現場では、複雑化するカスタマーのニーズに対応するため、これまでの経験による積み重ねや販売目標を軸とした在庫管理・生産管理から、データに基づいた需要予測システムを導入する動きが増しています。とくに近年は、機械学習を取り入れることでますます精度が向上するケースが増えているようです。今回は、そんな需要予測システムの最新動向をまとめました。

■需要予測はベテランでも難しい

需要予測とは、「いつ」「どんな商品が」「どれくらい」売れるのかといったことを予想して、生産計画や小売りの販売計画に反映させることです。長年、製造業の生産管理や小売業の発注業務に携わってきた人であれば、過去の経験に基づいてある程度の販売サイクルは把握しているでしょう。

ただ、大規模なキャンペーンやイベントといったイレギュラーな出来事の発生で、過去の経験が覆されることもあります。また、昨今は消費者ニーズが多様化しており、さまざまな商品で小ロット・多品種展開が求められるようになっています。もともとマージンが薄いため、過剰在庫を抱えると即利益率に響いてしまうのです。

特に食品・飲料分野は、消費期限が短い上にイベントや気象条件といったさまざまな要因が売り上げを左右します。ベテランでも難しいこの需要予測を、AIによる機械学習を活用して行うというのが需要予測システムです。

 

■AIによる需要予測にベテランの勘と経験をプラス:アサヒビール

■AIによる需要予測にベテランの勘と経験をプラス:アサヒビール|AI・人工知能製品・サービスの比較一覧・導入活用事例・資料請求が無料でできるメディア

ビールメーカー大手のアサヒビールは、NECの需要予測システムを導入しています。同社の需要予測は従来ベテラン社員の経験に依存しており、人材育成に時間がかかるという難点がありました。また、商品を切らせたくない営業サイドと余計な在庫を抱えたくない物流サイドで利害が衝突することもあったといいます。現在では、物流部門とデジタル戦略部、IT部門が連携し、AIによる需要予測システムを構築しています。システム化することで、判断基準を定量的に明確化かつ標準化することができ、質の高い意思決定と適切な在庫の調整が可能になりました。

ビールの売り上げは、気候やイベント、日取りといった要素に左右されます。アサヒビールでは、NECの異種混合学習エンジンを活用し、カレンダー(季節、祝日・休日など)、出荷情報、気象情報、競合動向といった各種データを複合的に分析し、新商品の需要分析をしています。異種混合学習とは、ビッグデータを複数のグループに分けて多数の規則性を発見すること。これまで試行錯誤を重ねた結果、予測値と実績値の誤差が10%程度にまで縮まったそうです。

人の経験による需要予測は大当たりを引くこともある一方で、常に安定した結果を出し続けることは決して簡単ではありません。その点、AIであればデータに基づいてコンスタントに結果を出し続けることができます。ただ、すべてをAIに任せるのではなく、イレギュラーな出来事にも対応するため、AIによる予測結果に人の経験をプラスするという形でカバーし、精度を高めているといいます。

また同社では、社内のみではなく販売業態への提案ツールとしても、こうした需要予測システムを活用しています。

(参照:日本電気株式会社 安定と高精度で需要予測の進化を牽引するAIバリューチェーンと社会の課題解決に貢献)

 

■需要予測によってレーンに流す寿司の量をコントロール:スシロー

■需要予測によってレーンに流れる寿司の量をコントロール:スシロー|人工知能を搭載した製品・サービスの比較一覧・導入活用事例・資料請求が無料でできるAIポータルメディア

回転寿司チェーン店「スシロー」を展開している株式会社あきんどスシローも、需要予測のシステムを導入しています。

スシローでは、一つひとつの皿にICタグを付けることによって、レーンに流れている寿司の鮮度や売上状況などを確認しています。これにより、「いつ、どの寿司が食べられたのか」「どの寿司が廃棄されてしまったのか」といったデータを10億件以上蓄積することができていたそうです。

しかし、そのデータをもとにした分析の手段はExcelだけで、プログラムで抽出したデータをマクロでレポートするという作業を長年行っていました。とはいえ、過去から蓄積されてきたデータは40億件以上にのぼっていたため、詳細な分析を行うことができるのは直近のデータに限られてしまっていたのです。

そこで、蓄積されたデータを有効活用するための手段として導入したのが、ビッグデータの高速かつ正確な分析を実現させる「需要予測システム」でした。

これまでは、蓄積された直近のデータでしか詳細な分析を行うことができていなかったわけですが、需要予測システムを活用すれば「過去データ」と「現在の店内状況」をリアルタイムで照らし合わせていくことが可能になります。

例えば、まぐろを注文する客が増加した場合には、過去のデータと照らし合わせた上で需要を予測し、その結果に合わせて調理担当へ指示を出していくことができます。こういった予測は現場担当者の経験や勘に頼らざるを得ないのが実情でした。もちろん、経験や勘を頼りにすることも重要ですが、それだけで需要予測の精度を高めていくことは難しいでしょう。

また、客の来店時に入力された「属性」「人数」といった情報をもとに、デーブルごとで消費される量や食事時間を可視化することも可能になったといいます。スシローではスマホアプリを提供しており、予約システムではおおよその待ち時間をリアルタイムで確認することが可能です。その待ち時間の予測を立てる上でも、需要予測によって蓄積されたデータが活かされています。

なお、スシローは需要予測システムを導入することによって、メニューの廃棄率を75%削減することに成功しました。また、原価率50%を保った状態で売り上げを伸ばしていき、2015年には業界1位となる「売り上げ1350億円」を達成しています。
まさに、需要予測システムを最大限活用したことによって生まれた功績といえるのではないでしょうか。

(参照:アシスト ビッグデータの高速分析で、隠れていた課題や問題点を可視化。回転寿司業界のNo.1を支える迅速な経営判断と店舗オペレーションを実現)
(参照:ホームページ制作なら横浜のウェブ制作会社【株式会社アイティネット】 時間ごとの食欲まで予測して廃棄率を75%カット。スシロー「回転すし総合管理システム」 )
(参照:cakes(ケイクス) あきんどスシロー、人工知能で待ち時間の予測精度を3割改善)

 

■需要予測の精度向上で小売業の現場からも「品切れ」や「廃棄」がなくなる?!

需要予測の精度向上で小売業の現場からも「品切れ」や「廃棄」がなくなる?!|AI・人工知能製品・サービス・ソリューション・プロダクト・ツールの比較一覧・導入活用事例・資料請求が無料でできるメディア

機械学習を取り入れた需要予測は、製造業だけでなくコンビニや大型スーパーなど小売業の現場からも導入の動きが広まっています。小売業の利益を左右する発注業務はベテランでも難しく、発注不足で品切れが起きたり、逆に発注過多で在庫が発生したりといったことがありえます。

AIによる需要予測を取り入れることで、こうした発注の見込み違いはなくなり、販売機会の損失や廃棄といった概念もなくなるのかもしれません。

 

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