AIsmiley Magazine

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業態業種別-AIの導入活用事例-

最終更新日:2019/11/8

一歩先行く「IBM Watson(ワトソン)」の導入活用事例


一歩先行く「IBM Watson(ワトソン)」の活用事例~コールセンター・カスタマーサポート分野~|チャットボットやWeb接客・RPA等のAI・人工知能製品・サービスの比較・検索・資料請求メディア

IBM Watson(ワトソン)は、IT大手IBMが手掛けたAIです。

2006年の登場以来、年々その精度を上げ、さまざまな産業分野に応用されようとしています。そんなIBM Watsonですが、実際にどのような企業に導入され、どのような形で利用されているのでしょうか。今回は、コールセンター・サポートセンターでの導入活用事例を中心にその活躍をまとめました。

(参照:IBM Watsonオフィシャルサイト)

■ハワイ旅行をIBM Watsonでバーチャルにアシスト、JALの「マカナちゃん」

ハワイ旅行をバーチャルでアシスト、JALの「マカナちゃん」| チャットボットやWeb接客・RPA等のAI・人工知能製品・サービスの比較・検索・資料請求メディア

日本航空(JAL)とIBMは、業務でのAI活用の可能性を探るため、赤ちゃん連れの家族を対象にしたIBM Watsonによるハワイ旅行のバーチャルアシスタントを開発。

チャットボットの「マカナちゃん」というキャラクターを軸に、ユーザーとコミュニケーションをとるスタイルが生まれました。「マカナ」はハワイ語で「贈り物」という意味があり、ハワイで離乳食を入手するための方法について答えたり、機内サービスで離乳食を依頼する方法に答えたりと、赤ちゃん連れの顧客が持つ悩みを解消するためのサービスになっています。マカナちゃんの開発にあたって、まずは想定される会話を2000~3000パターン収集し、それをベースに回答を組み立てていきました。そして、マカナちゃんによるバーチャルアシスタントを2016年12月から2カ月間の期間限定で公開したところ、機械学習によって回答率が8割まで向上したという結果が得られたのです。

第2弾では、「赤ちゃん連れ」という制限を外して、JALの成田~コナ(ハワイ)線就航を契機に、広くハワイ旅行をする人を対象としてサービス提供しました。第3弾では、情報提供の範囲をオアフ島まで拡大。さらに、画像を使った会話のやりとりも可能となり、ユーザーが送信した画像をもとに、マカナちゃんがおすすめスポットを提供します。

同社では、グアム旅行者を対象としてバーチャルアシストの「マイラちゃん」も開発し、利用範囲を広げています。

 

■三井住友銀行、IBM Watsonをコールセンター全てで活用

三井住友銀行、IBM Watsonをコールセンター全てで活用 |チャットボットやWeb接客・RPA等のAI・人工知能製品・サービスの比較・検索・資料請求メディア

三井住友銀行では、コールセンター全席でIBM Watsonを導入。営業店から本部への照会業務に活用しています。

カスタマーセンターで問い合わせを受けた会話の内容を音声認識システム「AmiVoice」がリアルタイムでテキスト化し、Watsonが業務マニュアルやよくある質問(FAQ)から問い合わせ内容に対応する回答候補をオペレーターに提示します。

その後、活用範囲を広げ、国内与信業務に関わる行内での照会応答業務、法人顧客からの各種問い合わせ対応や案内などにも導入しています。

 

■JR東日本、コールセンターでのIBM Watson導入で応答時間が30%減

JR東日本、コールセンターでのIBM Watson導入で応答時間が30%減|チャットボットやWeb接客・RPA等のAI・人工知能製品・サービスの比較・検索・資料請求メディア

JR東日本のコールセンターも、IBM Watsonを導入しています。

同社のコールセンターに寄せられる問い合わせは、1日当たり数千件から数万件。内容も東日本全域での鉄道事業にのみならず、不動産や小売り事業、カードに関するものまでさまざまです。同社ではユーザーの利便性を重視し、専門分野ごとでの対応ではなく、一括した番号で全ての問い合わせに対応しています。そのため、オペレーターにも幅広い知識が求められますが、全てのオペレーターが熟練したスキルを持ち合わせているとは限りません。

そこで同社では、業務効率と品質の向上を目的に、IBM Watsonを導入。問い合わせ内容を音声認識技術でテキスト化し、Watsonが回答候補や関連情報を検索してオペレーターに提示します。オペレーターの操作性は非常にシンプルなため、業務効率化の妨げとなる心配もありません。あらかじめ学習データを入力しておくことでIBM Watsonでの分析が可能になるため、オペレーターは対応時に表示される回答候補をクリックして、質問に答えていけば良いわけです。

そして対応後には、IBM Watsonが導き出した回答候補が役に立ったかどうかをフィードバックできるため、そのフィードバックを重ねるごとに精度を向上させることができます。つまり、今後さらに学習データを追加していくことで、回答候補の選定制度が向上し続けていくということです。

しかし導入にあたりオペレーターの現場からは、「仕事をAIに奪われる」との抵抗もあったと言います。結果的に機械学習によって回答の精度が向上し、システム活用度の高いオペレーターは、応答時間を30%削減するに至ったといいます。また、応答時間が削減されたことで、これまでの業務時間内に扱える電話の件数が2割増えたという結果も出ているそうです。

(参照:日経XTECH コールセンター応対時間を3割減、Watsonで成果出すJR東日本)

 

■IBM Watsonを活用した自然言語の分類により、より対応をスムーズに

多くの企業に導入されているIBM Watsonですが、大きな特徴としてテキストの意図を的確に解釈し、関連度合いをレベル付けして分類することができるという点があります。IBM Watsonの「Natural Language Classifier」という自然言語分類は、機械学習や統計アルゴリズムといった予備知識を持っていなくても、アプリケーション内に自然言語インターフェイスの作成を行うことができるわけです。

そのため、本来であれば人間が処理しなければならない「ユーザーからの質問対応」や、Twitterのツイートを『イベント』『ニュース』などの「カテゴリで分類すること」などができるようになります。

この「Natural Language Classifier」は、今後さらに利用領域が広がっていくと予想されるため、上記で紹介した企業以外にもカスタマーサービスやコールセンターを抱える企業での導入が進んでいく可能性が高いでしょう。

すでに誰でも手軽に利用できるようになっているという点は、IBM Watsonの導入を検討する企業にとって大きな判断材料のひとつになるのではないでしょうか。

 

■IBM Watsonの活躍、ますます広がる

みずほ銀行ではIBM Watsonとソフトバンクのヒト型ロボットpepperを組み合わせ|人工知能を搭載した製品・サービスの比較一覧・導入活用事例・資料請求が無料でできるAIポータルメディア

このほか、みずほ銀行ではIBM Watsonとソフトバンクのヒト型ロボットpepperを組み合わせ、店頭におけるおもてなしの実現を目指す取り組みを始めたり、三菱UFJ銀行でも、オンラインバンキングや実店舗などのオムニチャネル化を推進するにあたり、IBM Watsonによる顧客とのコミュニケーション構築を模索したりしています。

今後も、コールセンターやカスタマーサポートを始めとするさまざまな分野で、 IBM Watsonの活躍の場が広がることは間違いないでしょう。

人手不足が深刻化している現代において、人の手による業務効率化を図るのは、あまり現実的とは言えなくなってきています。IBM WatsonをはじめとするAI・人工知能をいかに有効活用できるかが、企業の将来を大きく左右することになるかもしれません。

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