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感情認識とは!?AIが音声や表情から人間の感情を分析!

  • 編集部記事

近年はさまざまな分野でAI(人工知能)が積極的に活用され始めており、AIへの注目度も高まっています。その中でも、人間の感情を読み取ることができる「感情認識AI」に大きな注目が集まっているのをご存知でしょうか。人の「感情」「表情」をデータ化することによって、教育や交通安全、マーケティングなど、さまざまな分野での活用が見込まれるため、多くの期待が寄せられているのです。

それでは、感情認識はどのような仕組みで成り立っているのでしょうか。また、感情認識AIはどのような場所で活用されているのでしょうか。今回は、感情認識の仕組みや種類、活用事例などを具体的に見ていきましょう。

 

■感情認識とは?

感情認識(感情分析)とは、人間の感情や気持ちの変化、表情などを読み取ることを指します。つまり「感情認識AI」は、それらを行うことができるAIと言え、分析の対象は顔の表情や声、文章など、多岐に渡ります。

現在は、技術やサービスによって分析対象が異なり、試験的な段階のAIも多い状況です。しかし、将来的には「人間の言動」「脈拍の変化」「発汗の様子」「瞳孔の動き」など、より細かな変化を捉えて統合的に感情を判断できるAIの研究が進んでいく可能性もあるでしょう。

これまで、人間の感情を把握・分析するのは、およそ人間にしかできないものだと考えられていました。稀に人間の感情の一部を理解できると考えられている動物も存在しますが、まだ研究段階となり、はっきりとは分かっていない状況です。

当然ながら、コンピューターなどの機械も人間の感情は理解できないため、人間がどのような感情で接しても同じレスポンスになっていたわけです。しかし、近年はAIの技術が発展したことによって、人間の感情をも分析できるようになってきたのです。そのため、機械も人間の感情や気持ちを汲み取った上で、個別の対応を行えるようになってきているのです。

このようなAIの技術は、接客が必要となるサービス業やマーケティングなどにおいて特に重宝されるものとして、期待が寄せられています。

 

■感情認識AIの種類

画像認識AI

現在の感情認識AIには、主に「文章」「表情」「声」という3つの種類が存在します。これら3つの感情認識AIの仕組みについて、詳しく見ていきましょう。

 

●「文章の感情認識AI」の仕組み

「文章の感情認識AI」は、人間が入力した文章(テキスト)を、AIが自然言語処理によって読み取り、分析することで感情を判断するという仕組みです。同じ物事を伝える場合でも、一人ひとり文章には少しずつ違いが生まれます。

そのため、文章に含まれている単語を分析したり、言葉遣いや表現を分析したりすることによって、その文章を入力した人間の怒りや悲しみ、喜びといった感情を判定することができるのです。

また、基本的なデータと判定基準さえ事前に学習させておけば、AIが日々データを蓄積させて学習していくように設定できるため、継続的に分析の精度を向上させられるという魅力もあります。特にチャットボットなどは、日常的にユーザーとのコミュニケーションが発生するため、よりフレンドリーなコミュニケーションを実現したい場合などに感情認識AIは重宝されるでしょう。

 

●「声の感情認識AI」の仕組み

「声の感情認識AI」は、日本語や英語といった特定の言語に依存せず、「声の抑揚」や「声の大きさ」といった物理的特徴量の分析によって、感情を認識するという仕組みのAIです。

音声によって人間の感情を判定できるようになれば、声だけでコミュニケーションを図る必要があるコールセンターでも、ユーザーがどのような感情なのかを知ることができます。もちろん、オペレーター側のストレスチェックなどにも活用することが可能です。

また、ロボットやバーチャルアシスタントが「声の感情認識AI」を搭載すれば、人間同士のコミュニケーションのように円滑なやり取りを行えるようになるでしょう。

 

●「表情の感情認識AI」の仕組み

カメラや音声で分析、AIによる「感情認識技術」の研究進む|人工知能を搭載した製品・サービスの比較一覧・導入活用事例・資料請求が無料でできるAIポータルメディア

「表情の感情認識AI」は、人間が普段のコミュニケーションで行っているものと同じように、顔の表情から相手の感情を読み取ることができるというものです。その仕組みとしては、細かな動きの変化を捉えられるカメラを用いて、視線や瞳孔の大きさなどを読み取り、人の感情を推測するというもの。

この表情による感情分析は、単純な喜怒哀楽だけを読み取るわけではありません。例えば、ある商品を見せられたときに本心から興味を示しているのか、それともあまり興味を示していないのか、といった微妙な違いを判定することができるのです。

ディープラーニングによって判定の精度が向上されれば、本人さえも気付かないような小さな心の動きも認識できるようになるでしょう。

 

●顔認識を行えるサービス「microsoft azure Face api」

ちなみに、「表情の感情認識AI」の代表例としては、Microsoftが提供している「azure Face api」が挙げられるでしょう。このサービスでは、画像に含まれている人の顔を検出したり、認識したり、分析したりすることができる AI アルゴリズムが提供されています。そのため、AIの開発経験がない企業でも、手軽にAIを導入することが可能です。

そんな「azure Face api」には、いくつかの異なる顔分析機能が搭載されています。例えば、顔検出によって顔関連の属性を抽出したり、顔検証によって2つの顔が同一人物であるかを評価したり、類似性に基づいて複数のグループに分けたりすることができます。

 

■感情認識AIの導入事例

感情認識AIの仕組みや種類についてお分かりいただけたかと思いますが、それらは具体的にどのような場所で導入されているのでしょうか。ここからは、感情認識AIの導入事例について詳しくご紹介していきます。

 

●コールセンターでの事例

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感情認識AIの代表的な導入先として挙げられるのが、コールセンターです。コールセンターでは日常的にオペレーターと顧客の会話が発生します。その会話の中で、イントネーションやアクセント、声の高さなどをAIに分析させ、定量化することで、顧客の現在の満足度をオペレーターが把握できるようになります。

もちろん、オペレーター側の声も分析することができるため、管理者がオペレーターのストレス度をチェックしたい場合などにも有効といえるでしょう。コールセンターの中には、感情的になった顧客の冷静さを取り戻すように促すなどの対応が必要な窓口も存在します。そのような顧客の対応を行う場合、オペレーター自身にストレスが蓄積されてしまうケースも少なくありません。

そのため、自動応答を可能にするチャットボットに優秀な感情認識AIが備われば、チャットボットが顧客の気持ちを汲み取りながら「感情的になった人間を落ち着かせる」という役割を担えるようになる可能性もあるでしょう。

 

●マーケティングでも感情認識AIを活用

感情認識AIは、マーケティング等のビジネスシーンにも適しています。何かしらの商品(サービス)を販売する場合、購入に至る最終決定はあくまでも顧客自身の手に委ねられているため、マーケティング担当者は販売促進しか行うことができません。つまり、マーケティング担当者が最終的な決定を下すことはできないということです。

しかし、感情認識AIを活用すれば、商品に対して顧客がどのような感情を抱いているのか、より明確に知ることができるようになります。そのデータをマーケティングに活用すれば、販売促進の精度改善につなげていくことも可能になるのです。

もちろん、感情認識AIを活用する場合には、顧客の感情が反映されるデータを準備しなくてはなりませんので、コールセンターの通話記録やサイト上のユーザーレビューなど、分析のために必要となるデータが必要となります。しかし、これらのデータを用意することができれば、感情認識AIはすぐに活用できるようになるため、よりビジネス上の意思決定も効果的に行えるようになるでしょう。

 

●社内のトレーニングに感情認識AIを導入

最近では、営業担当者や販売員などのコミュニケーションスキルを向上させることを目的としたアプリなどもリリースされており、そのアプリ内に「感情認識AI」が活用されているという事例も存在します。また、そのアプリを顧客対応の社内トレーニングに利用しているという企業も少なくありません。

表情トレーニングアプリの代表例としては、株式会社シーエーシーが2018年12月に提供開始を発表した「心sensor for Training」というアプリが挙げられるでしょう。カメラが捉えた人間の表情筋の動きを感情認識AIが解析し、その表情がどのような印象を与えるものであったか採点するという仕組みです。ネットワークに接続する必要がないため、いつでもどこでもトレーニングを実施し、結果もすぐに確認することができます。

 

●AIチャットボットの女子高生「りんな」は感情と共感が可能に

日本マイクロソフトが開発したのは、AIチャットボットの女子高生「りんな」です。ユニークな受け答えで人気のりんなは、「感情と共感」まで獲得しようとしています。

同社では、りんなのスマホ向けプログラムに、最新の画像認識エンジン「共感視覚モデル(Empathy Vision model)」を採用。りんなが目にした風景やモノに対して、その認識結果を述べるだけでなく、リアルタイムで感情のこもったコメントを伝えるというものです。

例えば、「人間と犬が散歩している」風景について。従来のAIであれば「人間です。子どもです。犬です。木です」というように、見たモノをそのまま分析するだけだったでしょう。一方、この共感視覚モデルを採用したりんななら「カワイイ子どもと犬だね!今日はいい天気だから、お散歩楽しそう」というように、自然かつ感情を持った受け答えが可能です。

りんなにはこれまで、テレビ放送の放送実績をテキスト化したデータベース「TVメタデータ」を取り込んで、人工知能がどのように人間と感情を共有するかを検証する取り組みなども行われています。人の感情に寄り添う「エモい」AIとして、女子高生りんなの進化はどんどん進んでいます。

 

■感情認識AI製品の一覧

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●音声から読み取る感情認識AI

・スワローインキュベート

株式会社スワローインキュベートでは、パナソニック株式会社の特許技術を活用した「音声感情認識AI」を開発しており、この音声感情認識AIを活用した「SDK(ソフトウェア開発キット)」「Web API」などの提供も行っています。また、ホームページ上で手軽に精度の検証を行えるトライアルWebアプリも提供されているため、誰でも気軽に感情認識AIの技術に触れることが可能です。

 

・スマートメディカル

音声気分解析技術を活用したセルフケアツールを提供しているスマートメディカル株式会社では、2016年7月から、感情で色彩が変化する「Utakata Mood Light」という照明アプリを提供しています。このアプリは、Philips Lighting社のワイヤレス照明システム「Hue」にも対応しており、話した人物の感情によって照明が変化するという仕組みです。

 

・Nemesysco

イスラエルに本社を構えるNemesysco社では、感情認識AIの活用によって「顧客満足度の可視化」「フィードバック支援」「マネジメント支援」の3つを提案するサービスを提供しています。Nemesysco社が開発した感情認識エンジンは、軍事技術をもとにして1997年に開発されました。音声を「エネルギー」「感情的」「ストレス」といった計151のパラメータに分解し、解析することによって感情を把握するという仕組みです。

 

・日立

日立では、テレビや新聞、マスメディアの情報や、コールセンターでの会話記録などから、企業や商品に対する顧客の声(感情)を高精度に可視化する「感性分析サービス」を提供しています。この感性分析サービスでは、テキストデータを約1,300種類の話題・感情・意図に分類することができるAI技術が活用されており、「好意的」「中立」「悪意的」の3つに大きく分類することが可能です。そして、そこからさらに細分化された81種類の中から感情を特定できます。文意を考慮した高精度の感性分析を行いたい場合に有効なサービスといえるでしょう。

 

・NEC (NEC 会話解析)

NECでは、独自に開発したAIを活用し、顧客から寄せられた大量の意見などを企業活動に迅速に反映させる「NEC会話解析」というソリューションを提供しています。NEC the WISEの「テキスト含意認識技術」を活用することで、自然文の多様な表現を認識することが可能です。また、人間による作業と同等の精度で大量の文書を抽出・クラスタリングすることができるため、日々寄せられる意見を効率的に把握できます。

 

●表情から読み取る感情認識AI

・富士通

富士通では、30年以上取り組んできた対人コミュニケーション技術の研究によって培った技術・知見を活用し、人との快適なコミュニケーションを実現する「ロボットAIプラットフォーム」を提供しています。このプラットフォームでは、自然対話技術、表情認識技術、音声感情分析技術、顔認識技術などといったコミュニケーション技術が搭載されており、クラウドで提供されるため、導入後すぐに活用していくことが可能です。AIに関しても、全て学習済みの状態で提供されるため、スムーズな導入を求めている企業にとっては大きな魅力といえるでしょう。

 

・Affdex

affectiva社では、表情・感情認識AI開発ライブラリの「Affdex SDK」を提供しています。Affdex SDKとは、自社の製品(サービス)に感情認識AIの「Affdex」をソフトウェアに実装するための開発キットのことです。WindowsやAndroid、iOS、Linuxに対応している点や、セットアップ作業も通常数時間程度で終了する点など、誰でも比較的容易に導入できる環境が用意されていることは大きな魅力といえるでしょう。

 

・株式会社エモスタ

 

株式会社エモスタでは、人の表情から93%の精度で感情を推定する「エモリーダー」という感情認識AIを提供しています。信頼形成度、自己開示度、ストレス度、プレゼンテーション(営業評価)といった実績を持つ「心理学とAIの専門家集団」が印象予測AIの作成を行っている点も大きな特徴のひとつです。

 

感情認識AI「エモリーダー」の詳細を見る

 

●テキストデータから書き手の感情を認識する「ユーザーローカル感情認識AI」

感情認識技術には、顔の表情や声の高さ、話すスピードなどが判別基準としてよく用いられます。一方、ユーザーローカルが開発したAIは、テキストデータから書き手の感情を認識します。

同システムでは、数千万件の口コミデータをAIに学習させて、文章を「喜び」「好き」「悲しみ」「恐れ」「怒り」の5感情に分類して数値化します。

通常、文章から書き手の感情認識をする場合、文章をまず単語に分解して、各単語の持つ意味から分析する手法が一般的です。一方、このシステムでは、文字の並び方のパターンや文末の細かなニュアンス表現をディープラーニング技術で捉え、感情認識します。

この技術は、アンケート調査の自由記入欄のような定性データの数値化や、SNSや商品レビューの炎上防止、コールセンターのカスタマーサポート記録の精査、人事面談や日報などの記録の分析に役立てることができるでしょう。

 

■今後「感情コンピューティング」に注目が集まる

今回は、人間の感情を読み取ることができる感情認識AIの仕組みや種類、活用事例などについて詳しくご紹介しました。より高い精度で人間の感情を読み取れるようになってきているため、今後はよりさまざまな分野で、AIが人の感情を読み取る「感情コンピューティング」が活用されるようになるかもしれません。

例えば、自動車に感情認識AIが搭載されるようになった場合、ドライバーの疲労やストレスをリアルタイムで分析できるようになるため、警告表示などによって事故を未然に防げるようになる可能性もあるわけです。そのため、今後はこのような形で感情認識AIが重要な役割を担っていく可能性が高いでしょう。感情認識AIが私たちの生活にどのような影響を与える存在となるのか、ますます目が離せません。

 

感情認識AIのサービス比較と企業一覧を見る

 

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