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WEB接客のシナリオ、はじめの一歩

最終更新日:2024/03/04

効果的にWEB接客ツールを使いこなすには、しっかりとシナリオを設計しなくてはなりません。そのため今回は、「シナリオってなんだ?」という疑問から、シナリオ設定のためのポイントなどを詳しく紹介します。

AIを活用したWeb接客のシナリオとは?

Web接客とは、ECサイトに訪れたユーザー一人ひとりに対して、「実店舗で接客を受けるのと同じようなコミュニケーション」を行って購買につなげていくことを指します。

例えば、ユーザーごとに表示させる商品を出し分けたり、レコメンドしたり、購入を迷っているユーザーに対して適切なタイミングでクーポンを表示します。それによって、サイトからの離脱防止や購入率(CVR)のアップ、そして売上高アップといった具体的な成果をあげていくわけです。最近では、このような成果をあげるサイト上のさまざまな施策を、AIが人に替わって自動で行うという特徴を備えた「Web接客ツール」も多く販売されています。

そんなWeb接客を実現するうえで欠かせないのが、シナリオ作成です。Web接客におけるシナリオは、顧客に対して最適なアプローチを行うためのアプローチ方法のことを指すものであり、より高い精度のWeb接客を実現するために欠かせません。

AIを使った初めてのシナリオ設計の流れ

では、実際にAIを使ったWeb接客を行う場合、どのようなシナリオを設計すれば良いのでしょうか。シナリオ設計の主な流れをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

初めてのシナリオ設計はWeb接客で達成したい成果を決める

まずはゴールを決める|<a href=チャットボットやWeb接客・RPA等のAI・人口知能製品・サービスの比較・検索・資料請求メディア” width=”640″ height=”” />

初めてのシナリオ設計の場合、まずはWeb接客で達成したい「成果」を決めます。Web接客のツールによっては、複数の機能を持つものもあるので、その場合は機能ごとにゴールを決めて構いません。成果を洗い出せば、とるべきアクションが見えてきます。例えば、以下のようなアクションです。

・新規の会員数を増やしたい→非会員に対して会員登録を促すメッセージを表示

・商品の販売数を増やしたい→クーポンやおすすめ商品の表示などで購入をプッシュ

・SNSへの流入を増やしたい→SNSの公式アカウントへのリンクを表示

・コールセンターの業務負荷を減らしたい→「よくある質問」にはチャットボットで対応

とるべきアクションが見えて来たらWeb接客のシナリオ作りに着手

「誰に」「いつ」「どのように」アクションするかを決める|チャットボットやWeb接客・RPA等のAI・人口知能製品・サービスの比較・検索・資料請求メディア

とるべきアクションが見えて来たら、いよいよシナリオ作りです。ここでは、新製品の販売数を伸ばすために、購入を迷っているユーザーやサイトから離脱しようとしているユーザーにWEB接客でクーポンを配布するとします。この場合のシナリオとは、「どのようなユーザーに」、「どのタイミング」で、「どのように配布する」かを決めることを指します。

このうち、「どのようなユーザーに」という点については、「購入を迷っているユーザーやサイトから離脱しようとしているユーザー」という風に決まっていますね。ただ、どうやってユーザーが「購入を迷っている」もしくは「ページから離脱しようとしている」のか判断するのでしょうか。「購入を迷っている」ユーザーの特徴としては、以下のような点が挙げられます。

・同じページを複数回行き来している

・サイズや色などの条件を変えて何度も検索している

・ページの滞在時間が長い

「ページから離脱しようとしている」ユーザーの場合は、以下のような「ページを閉じようとするアクション」でも察知できます。

・ブラウザ右上の「×」印に向かってスクロールした

・ブラウザ左上の「戻る」ボタンに向かってスクロールした

こうした動きをしたユーザーを仮に、「購入を迷っているユーザーやサイトから離脱しようとしているユーザー」と定義します。「どのタイミング」かについては、例えば「ユーザーの滞在時間が○分経過した場合」や、「一定の方向にスクロールしようとした場合」という風に決めます。

最後に、「どのように配布する」かについて。クーポンの場合は、「ポップアップ型」と呼ばれるWEB接客のメソッドを用いて、ユーザーの閲覧画面上にクーポンを表示させる仕掛けが多いかもしれません。購入を迷っているところや離脱しかけたところに、オトクなクーポンを表示させることで、ユーザーを引き止めるというやり方です。

顧客像を明確にする

次に、「who(対象のユーザー定義)」の明確化を行います。どのようなユーザーを対象にするか明確になっていなければ、適切なアプローチを行えないからです。逆に、顧客像を明確にすることができていれば、どのようなアプローチが適切なのか、戦略を立てやすくなります。

そのため、対象のユーザー定義を明確化したうえで、さまざまな選択肢から適切な手段を選択していくと良いでしょう。

顧客の行動を定義する

「when(表示させるタイミング)」を明確化することも、シナリオ作りにおいて大切なポイントの一つです。例えば、コールセンターの業務負荷を減らしたい場合、ユーザーが疑問を持ちそうなタイミングでWeb接客への導線が現れなければ意味がありません。

そのため、ユーザーがWeb接客を利用しやすいように「where(表示させる位置)」にも注意を払う必要があるでしょう。あらかじめ「顧客がどのような行動を取るか」の予想を立てていれば、その行動を逆算して対策していくことが可能になります。

顧客ニーズをピックアップする

当然ですが、目的ごとにWeb接客の活用方法は大きく異なるので、目的に応じて「what(何のコンテンツを選定するか)」を検討することも大切です。ユーザー目線で、最も必要な選択肢を提示することも重要になります。

サイト内の滞在時間や離脱率、PVなどを参考に、需要のあるコンテンツを把握すれば、よりユーザーに適切なコンテンツをレコメンドしやすくなります。顧客の満足度を高めるためにも、顧客ニーズをピックアップすることが大切です。

具体的な手段手法を検討する

おすすめ表示や会員登録を促すメッセージ、SNSアカウントへのリンクなど、目的に応じて適切な「how(手段・手法)」を選択することも重要です。これら以外にもさまざまな手段は存在するため、慎重に検討していく必要があるでしょう。

重要なのは、顧客が抱える悩み・疑問を解消することができる具体的な手段・手法を選択することであり、その適切な手段・手法によって顧客満足度を高めていくことができれば、さらなる成果が期待できるでしょう。

AIを活用したWeb接客ツール導入事例を紹介

現在は、AIを活用したWeb接客ツールが数多く存在しています。それぞれに異なる特徴があるため、どのようなWeb接客ツールを導入すれば分からないという人も多いかもしれません。ここからは、AIを活用したWeb接客ツール導入事例をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

事例1:Web接客ツール「Sprocket」の導入活用事例

SprocketのAIは、ユーザーごとに過去の行動データ(閲覧や購入データ)やアクセスした曜日・時間・デバイスなどのデータもとに、複数設定された接客パターンの中からそのユーザーに最適な接客パターンを判断し出し分けることができます。また、出し分けた接客の結果をもとに自動で判断を最適化していくのも特徴の一つです。

そんなSprocketの代表的な導入事例として挙げられるのは、全国で宅配ピザチェーンを展開する日本ピザハットです。公式オンラインサイトであるピザハットオンラインに導入されているWeb接客シナリオにSprocket のAIが活用されています。

ピザのトッピング追加を促すWeb接客シナリオにおいて、AIに接客パターンを出し分けさせたグループは、そうでないグループ(ユーザーグループを比率で分割して接客パターンを出し分けたグループ)と比較してトッピング追加率が110% 向上するという成果を上げることに成功しました。

検証の中では「接客をしないほうがその後の購入率が向上する」という結果もあり、新たなセグメントや接客パターンの発見につながる知見も得ることができたといいます。

事例2:Web接客ツール「ZenClerk」の導入活用事例

ジュピターチャネル株式会社では、通販・テレビショッピングサイトのショップチャンネルにおいて、Web接客ツール「ZenClerk」を活用しています。導入の経緯としては、施策を検討する中で、「いくら新規顧客数を増やしていくといっても、新規顧客だと思われる人全員に対するキャンペーンを打つとなると規模感も非常に大きくなってしまう」という課題にぶつかったことにあります。

そのような中で、ZenClerkであればその課題を解決できるということから、まずはトライアルでの利用を開始しました。トライアルでは、新規顧客率が想定よりも低かったため、新規だと思われるユーザーをどのように判別するか、週次でデータを突き合わせながら一緒に分析を行ったといいます。

タグを設置する前の訪問ユーザーは新規かそうでないかの見極めが難しく、そもそものユーザーセグメントの判断を誤ってしまう可能性が高くなるということもあり、「新規顧客率が高いのはどのユーザー層か?」「新規顧客の流入元はどこか?」といったことを手探りで考えていきながら検証を繰り返した結果、高い精度で新規顧客を見つけることができるようになったそうです。

事例3:Web接客ツール「Flipdesk」の導入活用事例

「DUO」や「CANADEL」などのスキンケア商品で知られるプレミアアンチエイジングのブランドサイトに、フリップデスクのWEB接客ツール「Flipdesk」とチャットボット「Cross Talk」が導入されました。一人ひとりに最適な商品を提案し、購入に迷うユーザーをサポートします。

プレミアアンチエイジングは、テレビCMでもよく目にするクレンジングバーム「DUO」やオールインワン「CANADEL」をはじめ、「sitrana」「immuno」の4つのスキンケアブランドを展開している、アンチエイジング事業のリーディングカンパニーです。化粧品ブランドを販売するにあたり、いち早くデジタルマーケティングに取り組み、その一つとして、2015年よりフリップデスクの「Flipdesk」を、2021年より「Cross Talk」を導入しています。「Flipdesk」は、全ブランドサイトに導入し、ユーザーの属性や反響に合わせてキャンペーン訴求の出し分けを行い、キャンペーン効果の最大化を図っています。

2022年4月より導入した「Cross Talk」は、「DUO」と「CANADEL」のサイトに導入し、シナリオトーク型のチャットボットを使った診断コンテンツとして活用しています。具体的には、「DUO」のクレンジングバームや「CANADEL」のオールインワンは種類が豊富にあり、どの商品が自分に合うのか迷ってしまうユーザーもいます。そこで、簡単な質問に答えてもらいながらユーザーのコンディションに合った商品を提案することで、購買の後押しをすることができます。この施策を行った結果、ユーザーの購買意欲が上がり、10人に1人がチャットボット経由で購入しているという結果が出ています。

事例4:Web接客ツール「awoo AI」の導入活用事例

awoo Japan株式会社は、提供するAIマーケティングソリューション「awoo AI」を活用する坂善商事株式会社のECサイト改善事例を発表しました。awoo AIは、商品理解を通して回遊と購買を生み出すAIサジェストプラットフォームです。

awoo AIは、awoo PDPとawoo AMPといった2つのアーキテクチャで構成されています。awoo PDPでは、データフィードの情報をもとに商品特徴を表すハッシュタグをAIが自動生成します。そしてawoo AMPを通じてハッシュタグをサイト内に表示・随時最適化するとともに、画像レコメンドやサイト内検索のサジェストなど、あらゆるマーケティングチャネルに応用することが可能です。この一連の仕組みによって、回遊性やCVR改善などのCX指標を高めます。

坂善商事のECサイト、サカゼン公式通販では、2022年9月に「awoo AI」を導入しました。同ECサイトでは、カテゴリーが際立っているがゆえにカテゴリー横断の回遊が不十分といった課題がありましたが、導入の結果として、回遊率4倍、CV率4.3倍、直帰率-91%など、エンゲージメントの向上を実現しました。

Web接客のシナリオは定期的なチューニングが必要

シナリオは、一回作ったらおしまいというものではありません。WEBマーケティングの担当者がどれほど魂を込めて作ったシナリオであっても、ユーザーに響かなかったら意味がないですし、逆に想定していなかった商材にプラス効果が現れることもあります。WEB接客ツールを導入したら、常にレポートやデータを確認し、ユーザーの動きにあわせてシナリオをチューニングしていく作業が必要です。迅速にPDCAを回すことが、成功するWEB接客に向けて、最も大切なことともいえるかもしれません。

「WEB接客を入れたら、自動的に売り上げが上がる」ということはありません。ただ、いくら精密なペルソナ作りやシナリオ設計を行っても、マーケティングプランを覆す結果が出るのがWEBマーケティングの面白さともいえます。「顔の見えないおもてなし」であるWEB接客を成功させるためにも、まずはシナリオ設計に取り組んでみましょう。

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AIsmiley編集部

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