効果的にWEB接客ツールを使いこなすには、しっかりとシナリオを設計しなくてはなりません。そのため今回は、「シナリオってなんだ?」という疑問から、シナリオ設定のためのポイントなどを詳しく紹介します。
■初めてのシナリオ設計はWeb接客で達成したい成果を決める
初めてのシナリオ設計の場合、まずはWeb接客で達成したい「成果」を決めます。Web接客のツールによっては、複数の機能を持つものもあるので、その場合は機能ごとにゴールを決めて構いません。成果を洗い出せば、とるべきアクションが見えてきます。例えば、以下のようなアクションです。
・新規の会員数を増やしたい→非会員に対して会員登録を促すメッセージを表示
・商品の販売数を増やしたい→クーポンやおすすめ商品の表示などで購入をプッシュ
・SNSへの流入を増やしたい→SNSの公式アカウントへのリンクを表示
・コールセンターの業務負荷を減らしたい→「よくある質問」にはチャットボットで対応
■とるべきアクションが見えて来たらWeb接客のシナリオ作りに着手
とるべきアクションが見えて来たら、いよいよシナリオ作りです。ここでは、新製品の販売数を伸ばすために、購入を迷っているユーザーやサイトから離脱しようとしているユーザーにWEB接客でクーポンを配布するとします。この場合のシナリオとは、「どのようなユーザーに」、「どのタイミング」で、「どのように配布する」かを決めることを指します。
このうち、「どのようなユーザーに」という点については、「購入を迷っているユーザーやサイトから離脱しようとしているユーザー」という風に決まっていますね。ただ、どうやってユーザーが「購入を迷っている」もしくは「ページから離脱しようとしている」のか判断するのでしょうか。「購入を迷っている」ユーザーの特徴としては、以下のような点が挙げられます。
・同じページを複数回行き来している
・サイズや色などの条件を変えて何度も検索している
・ページの滞在時間が長い
「ページから離脱しようとしている」ユーザーの場合は、以下のような「ページを閉じようとするアクション」でも察知できます。
・ブラウザ右上の「×」印に向かってスクロールした
・ブラウザ左上の「戻る」ボタンに向かってスクロールした
こうした動きをしたユーザーを仮に、「購入を迷っているユーザーやサイトから離脱しようとしているユーザー」と定義します。「どのタイミング」かについては、例えば「ユーザーの滞在時間が○分経過した場合」や、「一定の方向にスクロールしようとした場合」という風に決めます。最後に、「どのように配布する」かについて。クーポンの場合は、「ポップアップ型」と呼ばれるWEB接客のメソッドを用いて、ユーザーの閲覧画面上にクーポンを表示させる仕掛けが多いかもしれません。購入を迷っているところや離脱しかけたところに、オトクなクーポンを表示させることで、ユーザーを引き止めるというやり方です。
■Web接客のシナリオは定期的なチューニングが必要
シナリオは、一回作ったらおしまいというものではありません。WEBマーケティングの担当者がどれほど魂を込めて作ったシナリオであっても、ユーザーに響かなかったら意味がないですし、逆に想定していなかった商材にプラス効果が現れることもあります。WEB接客ツールを導入したら、常にレポートやデータを確認し、ユーザーの動きにあわせてシナリオをチューニングしていく作業が必要です。迅速にPDCAを回すことが、成功するWEB接客に向けて、最も大切なことともいえるかもしれません。
「WEB接客を入れたら、自動的に売り上げが上がる」ということはありません。ただ、いくら精密なペルソナ作りやシナリオ設計を行っても、マーケティングプランを覆す結果が出るのがWEBマーケティングの面白さともいえます。「顔の見えないおもてなし」であるWEB接客を成功させるためにも、まずはシナリオ設計に取り組んでみましょう。