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AIを活用したインフラ点検のメリットとは?成功事例も紹介

最終更新日:2024/04/11

AI・人工知能技術の発展に伴い、さまざまな業界でAIが活用されるようになりました。私たちの日常生活においても色々な場面で利用されているので、既に多くの人にとって身近な存在となりつつあるのではないでしょうか。

また、近年はコンクリートのひび割れや道路舗装の異常など、公共インフラ点検においてもAIが活用され始めており、その技術に大きな注目が集まっています。

私たちが生活を送る上で必要不可欠なインフラの点検において、AIはどのような形で貢献しているのでしょうか。今回は、AIを活用したインフラ点検の仕組みやメリットについて詳しくご紹介していきます。

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【最新】画像認識AIの導入活用事例10選!各業界企業の課題と導入効果まとめ

AIの活用で点検時間を10分の1に短縮

AIの活用で点検時間を10分の1に短縮|人工知能を搭載した製品・サービスの比較一覧・導入活用事例・資料請求が無料でできるAIポータルメディア

AIの活用によってインフラ点検に大きな変化が生まれた例としては、新エネルギー・産業技術総合開発機構が2017年に発表したAIシステムが挙げられるでしょう。

新エネルギー・産業技術総合開発機構が発表したのは、表面に汚れや傷などがある場合でも、幅0.2mm以上のコンクリートのひび割れを80%以上の精度で検出することができるAIシステムです。このシステムは、2017年8月3日から2019年3月末までWebサービスとして無料公開され、検出の精度や作業効率といった有効性の検証が行われました。

一般的に、国内の高速道路やトンネル、橋梁といったインフラの老朽化の目処となるのは建設後50年ほどといわれています。しかし、これらのインフラの多くは50年を経過しようとしている状況でありながら、少子高齢化に伴う人手不足によって修繕が効率的に進められていない状況にあるのです。

そのため、新エネルギー・産業技術総合開発機構では、老朽化の加速だけでなく人材不足の加速も進んでいる状況を打開すべく、インフラの維持管理や更新が可能になる新しい技術の開発が行われることになったといいます。その開発テーマは「インフラ状態モニタリング用センサシステム開発」「イメージング技術を用いたインフラ状態モニタリングシステム開発」「インフラ維持管理用ロボット技術・非破壊検査装置開発」の3つであり、2017年8月に発表されたのは「イメージング技術を用いたインフラ状態モニタリングシステム開発」というテーマに対応するシステムでした。

このシステムは、デジタルカメラによってコンクリートを撮影するという部分までは従来の点検と同じです。しかし、一度デジタルカメラでコンクリートを撮影してしまえば、その後は画像をシステムに読み込ませるだけでひび割れ箇所の検出を行ってくれるため、点検時間を約10分の1にまで削減することができます。

これまでにもひび割れを検出する技術は存在していましたが、それらは撮影した画像を白黒に処理し、濃淡からひび割れを検出するという仕組みでした。この方法でもひび割れを検出することは可能ですが、濡れた部分や気泡、チョーク跡なども検出してしまうため、検出精度は12%と極めて低いものだったのです。

その点、2017年に発表されたAIシステムでは、ベテランの作業員が収集した約600枚の教師データ画像を活用したディープラーニング(深層学習)によって81%の検出精度を実現することに成功しています。

一般的な教師ありデータを活用するだけでは62%までしか精度を向上することができなかったそうですが、ベテラン作業員の知見を活用することによって、81%まで精度を高めることに成功したそうです。

 

キャノンのAIは99%のひび割れを検知

キャノンのAIは99%のひび割れを検知|人工知能を搭載した製品・サービスの比較一覧・導入活用事例・資料請求が無料でできるAIポータルメディア

(参照:画像ベースインフラ構造物点検サービス インスペクション EYE for インフラ|概要:キヤノン)

インフラ点検を助けるAIを提供しているのは、上記でご紹介した新エネルギー・産業技術総合開発機構だけではありません。2019年には、カメラメーカー大手のキャノンも「インスペクション EYE for インフラ」というサービスを提供開始しています。

「インスペクション EYE for インフラ」は画像ベースのインフラ構造物点検サービスで、長年にわたってキャノンが蓄積してきた撮影技術が活用されているサービスです。撮影に関してはカメラだけでなくドローンも活用するのが大きな特徴であり、地上からの撮影が可能な場所であれば3脚を立てて撮影を行い、水上などであればドローンを活用してコンクリートの表面を撮影します。

それらの方法で撮影された画像は、キャノンのコア技術である「イメージングテクノロジー(映像技術)」を応用し、斜めから撮影した画像の正対化を実現する「あおり補正処理」や、複数の方向から撮影した画像を合成して手前にある遮蔽物を除去する「遮蔽物除去処理」などを行います。そして、これらの処理が施された画像を、AIがひび割れチェックしていくわけです。

初めから高い精度を実現できていたわけではないそうですが、AIの学習を重ねることによって0.05mmのひび割れもしっかりと検出できるようになりました。2018年に行われた実証実験では、目視点検で確認された605本のひび割れのうち601本を発見し、検出率99%という結果も残しています。AIは継続的にデータを蓄積していくことができますので、実証実験の段階で99%という精度を実現しているのは大きな期待を持てる要因のひとつといえるのではないでしょうか。

 

AIの導入を検討する際は「現場の声」を重要視しよう

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今回は、AIを活用したインフラ点検システムの仕組みやメリットについてご紹介しました。

老朽化が進んでいる道路やトンネル、橋梁などの点検を効率的に進める上でも、点検時間の大幅な削減が可能なAIには多くのメリットがあることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

しかし、これからAIの導入を検討していく場合には、「どの作業をAIによって効率化させるのか」という点を明確化し、社内全体で共有しておかなければなりません。場合によっては「AIなんかに任せてしまって大丈夫なのだろうか」といった懐疑の目を向けられてしまう可能性もあるからです。

特に、AIの仕組みや精度の高さなどを正しく把握できていない人にとって、AIの導入をいきなり受け入れるのは難しいことでしょう。だからこそ、まずは現場の声を聞きながら、慎重にAIの導入を検討していくことをおすすめします。

少子高齢化に伴う人手不足が深刻化している現在において、AIの活用はもはや必要不可欠といっても過言ではないかもしれません。AIに任せるべき業務と人間が担当すべき業務の棲み分けを行った上で、業務効率化を図ってみてはいかがでしょうか。

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AIsmiley編集部

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