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機械学習における学習データの重要性?作り方や種類を解説

最終更新日:2024/02/21

近年、AI技術の発展に伴ってさまざまな企業がAIを導入し始めており、従業員の働き方にも少しずつ変化が生まれています。特に昨今は働き方改革が進められているため、AIを活用することで従業員一人ひとりの負担を軽減している企業も少なくないでしょう。

とはいえ、AIを活用して業務効率化を図るためには、より予測精度の高いAIを導入しなければなりません。そのAIの予測精度に大きく関わるのが「学習データ」であり、学習データがAI活用の成功を左右すると言っても過言ではないのです。

そこで今回は、機械学習における学習データの重要性についてご紹介するとともに、その作り方や種類なども一緒に解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

学習データについて詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
AI学習データの活用ガイド!データセットを作成したい人は必見!

機械学習モデルの構築は学習データが精度のカギ

学習データとは、機械学習モデルを学習させる上で必要となる情報のことです。AIは、この情報を何度も使用しながら予測の調整を行うことで、正解率を高めています。

学習データはさまざまな方法でAIに活用されますが、それはあくまでも予測の精度を高めることが目的となっているのです。そんな学習データの中には「入力データ」と「出力データ」という2種類のデータが含まれています。これら2種類のデータは「グラウンドトゥルース (ground truth)」とも呼ぶのですが、機械学習モデルはグランドトゥルースをもとに、ニューラルネットワークなどの技術を活用してアルゴリズムを生成しているわけです。

なお、変数や関連する詳細は、機械学習のプロセスにおいて必要不可欠なものであり、異なる機械学習タスクのデータセット(入力データと出力データ)の見かけは大きく異なります。

機械学習とは

機械学習とは、機械が膨大な量のデータを学習することによって自らルールを学習し、そのルールに則った予測や判断を実現する技術のことです。学習方法には、膨大な量のデータを学習して特徴を把握していく「教師あり学習」と、さまざまな次元でデータ分類などを行う「教師なし学習」、そして自ら試行錯誤して正解を求めていく「強化学習」の3種類が存在します。

AIにおける機械学習の位置付けとしては、「AIの要素技術の1つ」と表現することができるでしょう。そんな機械学習でできることは、「画像の判別」や「将来予測」といったものが挙げられます。

「画像の判別」はFacebookなどのサービスに搭載。人間の顔を判別する機能には、機械学習が活用されています。これは、自分自身の顔が写っている写真を自動で判別し、「○○さんと一緒にいます」と表示させることができるというものです。写真の判別は、機械学習によってユーザーの顔を認識しているからこそ実現できるのです。

「将来予測」はこれまでに蓄積されたデータを機械学習することによって、将来がどのようになるのか予測します。このアルゴリズム自体は複数存在しますが、適切なものを洗濯すればより精度の高い予測を行うことが可能になります。場合によっては、スポーツの試合結果や株価なども予測できるようになるかもしれません。

AI・ディープラーニングとの違い

AIとは、「Artificial Intelligence」を略した言葉であり、日本語に訳すと「人工知能」となります。人間の脳で行っているような作業をコンピューターが同じように模倣し、自然言語を理解したり、論理的に推測したり、経験に基づく学習を行ったりすることを目的とするプログラムを「AI」と呼ぶのが一般的です。そして、AIが膨大な量のデータを学習し、予測・判断を行っていく技術を「機械学習」といいます。

また、ディープラーニングは、膨大な量のデータを学習し、共通点を自動で抽出していくことによって、状況に応じた柔軟な判断を下すことが可能になる「機械学習技術の内の1つ」を指します。従来の機械学習と異なる点としては、より高精度な分析を行うことができるという点が挙げられるでしょう。なお、ディープラーニングの位置付けとしては、機械学習の一部である「教師あり学習」の一部となります。

精度向上には大量かつ良質な学習データが必要

機械学習の精度を高めるためには、大量かつ良質な学習データが必要になります。蓄積された学習データの量・質によって、結果の精密性が大きく変化するからです。そのため、学習データから特徴量を取得することが、機械学習において最も重要なポイントといっても過言ではないでしょう。

機械学習において主に用いられる学習データとしては、「画像データ」「音声データ」「テキストデータ」「数値データ」が存在します。AIを導入する場合には、目的に応じて最適なデータを大量に収集していくことが大切です。

AIは、「何も知らない状態」から構築を始めていく必要があるため、ゼロの状態からより多くのデータを取り込み、蓄積させ、学習していくことが大切になります。ただし、「ただ大量のデータを集めれば良いわけではない」という点には注意しなければなりません。曖昧なデータや間違ったデータを学習させてしまうと、AIが行う分析・予測の精度にも悪影響を及ぼしてしまうからです。

最近では、無料で利用することができるAPIやデータセットも存在するため、それらを活用するのも有効な手段といえます。また、有料でデータセットを提供している企業も存在するため、そういった企業のサービスを活用するのも一つの手段といえるでしょう。

学習データの3つの種類

AIのゴールは、より高精度のモデルを作成することであり、そのモデルの質を高めるためには「訓練データ」「検証データ」「テストデータ」の3つに学習データを分けながら活用していくことが重要になります。これら3つの学習データの主な役割は、以下となります。

  • 訓練データ:モデルが賢くなるために用いられるデータ
  • 検証データ:ハイパーパラメータの調整に用いられるデータ
  • テストデータ:学習済みモデルの汎用性の評価に用いられるデータ

学習データの作り方

では、実際に学習データを作る場合、どのような手順で進めていけば良いのでしょうか。ここからは、学習データの作り方について詳しくご紹介していきます。

課題の設定

これは学習データの作成に限った話ではありませんが、企業が何らかのプロジェクトを進行する際、はじめに行う必要があるのは「課題・目的を明確にすること」です。このプロセスを踏むことによって、どのような方針で取り組んでいくかの優先順位を明確化でき、プロジェクトが迷走してしまうリスクを抑えられます。

そのため、学習データの作成においても、まずは「プロジェクトを通じて達成したい目的」「いま企業が抱えている課題」などを明確化していくことが大切です。例えば、「マーケティングにおいて需要予測の精度を高めること」「定型業務の自動化によって生産性を高めること」などの目的が挙げられるでしょう。

AIを導入することや機械学習の実践といったものは目的ではなく、あくまでも「企業の利益や生産性を向上させるための一つの手段」であるという点を念頭に置くことが大切といえます。

データの収集

学習データ作成の目的を明確化することができたら、次はその目的に応じて最適な「学習データ」の収集を行っていきます。学習データを収集するにはさまざまな方法が存在し、代表例として、「自社データ・公開されているデータを利用していく方法」「インターネット上でのスクレイピングしていく方法」などが挙げられるでしょう。

また、自社データの一例としては、小売業であれば「販売データ」「顧客情報製造業における品質検査の結果」などが挙げられます。公開されているデータの一例としては、「気象庁が公開した気象データ」「政府が公開している調査結果」などが挙げられるでしょう。インターネット上でのスクレイピングとは、インターネット上で公開されているサイトにアクセスし、情報を取得していくことです。

このように、学習データを収集する方法は複数存在するため、目的を明確化した上で、最適なデータ収集方法を模索していくことが大切になるでしょう。

データのクレンジング

データの収集を終えたら、次にデータのクレンジングを行っていきます。データのクレンジングとは、データに含まれているエラーや欠損値、ノイズといった適切な部分を除去していく作業のことです。

機械学習における学習データは、ただ量が多ければ良いというわけではありません。あくまでも、質の高い学習データを大量に集めることが重要となります。そのため、不適切な部分を取り除いて学習データの質を高めていくクレンジングという作業は、機械学習に欠かすことのできないプロセスといえるでしょう。なお、学習データのクレンジングを行う際は、判定が難しいデータや不適切なラベル付け、不適切なオブジェクト設定がないかどうかを、しっかりとチェックすることが大切です。

データの統合・変換

機械学習において欠かすことのできない学習データは、自社システムだけでなく、外部のSNSなど幅広いソースに存在していますが、このような差異をサイロと呼びます。

学習データの前処理においては、サイロを除去したあとにデータ同士を関連付け、統合していかなければなりません。そして、複数のデータ同士を組み合わせて機械学習を行うことによって、より予測や分析の精度を向上させることができるのです。

また、収集した学習データに関しては、必要に応じて特定のフォーマットに変換しなければならないケースもあります。データの整合性を保ちながら冗長性を排除していく「正規化」、特定の分野だけでなく幅広い分野にデータを応用できるようにしていく「汎化」などは、代表的な変換作業として挙げられるでしょう。

ここまでに紹介した作業は、機械学習の約7割を占めると言われており、極めて重要なプロセスです。そのため、もしこれらプロセスをAIによって自動化できるようになれば、機械学習の効率をより一層効率的に行えるようになるでしょう。

データの水増し

学習データの水増しとは、学習用のデータをさまざまな方法で変換し、データの総量を増やしていく作業のことです。例えば、画像データの場合であれば、データを回転・拡大させたり、上下左右に移動させたりする処理を行います。この作業を行うことによって、収集したデータの量が少ない場合であっても学習精度を向上させることが可能になるのです。

限られたデータで高精度な予測を行っていく手法は転移学習とも呼ばれ、スタンフォード大学教授のAndrew Ng氏が「械学習の成功を今後推進するのは転移学習である」と述べるなど、近年非常に大きな注目を集めています。

学習データがAI活用の成功を左右する

今回は、機械学習において必要不可欠な「学習データ」についてご紹介しました。学習データがなければAIを活用することはできません。そのため、学習データの質がAI活用の成功を左右すると言っても決して過言ではないのです。

質の悪いデータを利用してしまった場合、AIがデタラメな予測を行ってしまうリスクも高まるため、その重要性を理解した上で学習データを作成していくことが大切です。今後AIの活用を検討していく際には、ぜひ今回ご紹介したポイントを参考にしながら学習データの作成を進めてみてください。

また、データのクレンジング、画像アノテーション、音声アノテーション、自然言語アノテーションなど、学習データに関してお困りの際は、ぜひAIsmileyまでお問い合わせください。

教師あり学習について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
AIの基礎「教師あり学習」とは?種類や具体例を紹介

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