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最終更新日:2020/2/14

「AI×農業」スマート農業がつくる未来

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「AI×農業」スマート農業がつくる未来|人工知能を搭載した製品・サービスの比較一覧・導入活用事例・資料請求が無料でできるAIポータルメディア

「水やり10年」というように、経験がモノを言うとされてきた農業にも、デジタル化の波が押し寄せています。
レタスやトマトなどを管理された工場内で栽培する植物工場の先進国、オランダや韓国ではITを使ったスマート農業がさかんです。農業にITを導入することで、どのようなメリットがあり、どのような効果が得られるのでしょうか。今回は、日本でも普及するスマート農業の事例を詳しく見ていきましょう。

■日本発のスマート農業AIサービス「Plantect™」、中国、韓国へ進出

独系ボッシュは、環境モニタリングとAIによる病害予測機能を備えたハウス栽培作物向けスマート農業AIサービス「Plantect™(プランテクト)」を2019年に韓国と中国市場向けに投入する計画です。

日本発のスマート農業AIサービス「Plantect™」データを活用しないなんてもったいない|病害予測機能搭載モニタリングサービス「プランテクト」
プランテクトは2017年の発売以来、日本国内で累計4,000台以上のセンサー等デバイスを受注しており、日本と同様にハウス栽培など施設園芸の盛んな韓国や中国でも受け入れられるとしています。日本の施設園芸の面積は約4万3,000ヘクタールであるのに対して、韓国における施設園芸の面積は約5万2,000ヘクタール、中国は約380万ヘクタールだそうです。両市場には大きなポテンシャルを感じますね。病害予測サービスの対象となっているのはトマトのみですが、海外展開を開始する2019年より順次イチゴとキュウリの病害予測サービスも導入する計画です。韓国のイチゴといえば、日本の女子カーリング「そだねージャパン」が平昌オリンピックの試合中におやつとして食べていたことでも話題を呼びました。イチゴは、果実の見た目が商品価値を左右する作物のため、病害の発生は深刻です。ボッシュは、「病害予測サービスが収穫量の向上に貢献できる」としています。

(参照:BOSCH「日本発、ボッシュのスマート農業サービス「Plantect™」が韓国、中国市場に進出」

 

■オプティムはAI、IoT、ドローンを活用した未来志向のスマート農業

AI、IoT、ビッグデータプラットフォームのスタートアップオプティムは、2017年末に未来志向の農業を志す生産者を中心とした「スマート農業アライアンス」を設立しました。目標は“楽しく、かっこよく、稼げる農業”の実現。設立から半年の2018年7月に実施された成果発表会によると、同アライアンスでは枝豆や米をはじめとする18品目でスマート農業の取り組みを進めており、実施地域は全国18都道府県に拡大しているそうです。約300団体がアライアンス会員となっているといいます。オプティムは、農業のビジネスモデル変革も目指しています。オプティムの「スマートアグリプロジェクト」では、利用する建機やICT機器を無料で農家に提供し、農家が収穫した作物は同社が全量買い取ります。作物は付加価値をつけて市場に流通させ、収益は農家とオプティムが折半します。現在、全額買取対象となっているのは、大豆と米だそうです。また、最先端スマートデバイスによる作業の効率化も提案。

・スマートグラス

・スマートフォン・タブレット

・IoT対応の農機具

・フィールドセンサー、ロガー

・ハウス制御機器

・IoTコンテナ

・気象情報

・ドローン

・RGBカメラ

・特殊カメラ(マルチスペクトルなど)

・GPUメーカー

・GIS(地理情報システム

これらのスマートデバイスを活用し、農作業の負担軽減や技術伝承の問題を解決します。オプティムが手掛けるAI、IoT、ロボットを使って栽培された「スマートやさい」の一つが、ドローンによって栽培地を撮影し、必要な箇所にだけ農薬を撒く「スマートえだまめ」。ディープラーニングの技術も活用し、画像解析を行っています。害虫や病害の発生エリアのみに農薬を散布することで、農薬量を90%削減。「減農薬」を売りに市場価格の3倍の値段でも完売したといいます。

(参照:SMART AGRI「オプティム、「スマート農業アライアンス」成果発表会を開催 約300団体が参画」 )
(参照:SMART AGRI「最先端の農業情報を提供!実際に参加できるプロジェクトも始動!」)
(参照:ロボスタ「AIやロボット、建機で農業や林業を変革する「スマート農業アライアンス」の成果を発表 〜オプティムやコマツ、佐賀市など登壇」)

 

■山梨県の奥野田ワイナリーではワイン製造にIoTを活用

山梨県甲州市にある「奥野田ワイナリー」では、ワイン製造にIoTを活用しています。奥野田ワイナリーではこれまで、農園で栽培しているぶどうの状況を確認するには半日以上を必要としていました。

山梨県の奥野田ワイナリーではワイン製造にIoTを活用|スマート農業|人工知能を搭載した製品・サービスの比較一覧・導入活用事例・資料請求が無料でできるAIポータルメディア

画像参照:Pixabay

たとえば、カビなどは農園に大きなダメージを与えるため、一刻も早く発見しなければなりません。それを解決するため、奥野田ワイナリーでは富士通が開発したネットワーク機器を設置しました。これにより、農園内の気温や湿度、雨量といったデータを10分ごとに取得できるようになっています。こういった形で、より素早く正確なデータを取得できるようにしたことで、農園内に生じたトラブルを素早く察知できるようになったのです。そして何より、これまで必要としていた農園内の状況確認を行うための人員が必要なくなったため、人手不足という問題も改善することができているといいます。

(参照:Okunota Winery オフィシャルサイト奥野田葡萄酒醸造株式会社)

 

■スマート農業の導入には課題も

多くの農家が問題として抱える「人手不足」の解消につながるスマート農業ですが、いくつか課題も残されています。たとえば、導入コストが決して低額ではないという点です。小規模の農家の場合、高額なIoT機器を導入するほどの余裕がない場合もあるでしょう。維持費や通信費も必要となるため、導入のハードルが決して低くないという点は否めません。また、せっかくIoT機器を導入しても、そのデータを有効活用できなければ無駄になってしまいます。そのため、IoT機器を使いこなすための学習期間を設けたり、IoT機器を使いこなせる人材を確保したりといったハードルもあるでしょう。とはいえ、有効活用することができればそれ以上の大きなメリットが生まれますので、こういった課題を克服していくことには大きな意味があるといえるのではないでしょうか。

 

■スマート農業を活用して高齢化や後継者不足の克服を

少子高齢化が進む中、農家では後継者不足が深刻化しています。農業人口は、1960年には約1,454万人だったものの、2010年時点で約261万人にまで減少しているのです。また、農業に対して「収入が少ない」「大変そう」といったイメージを持つ人も決して少なくないでしょう。こういったイメージも、農業人口の減少に影響していると考えられます。とはいえ、日本全体の人口が減少している昨今において、これから農業人口を一気に回復させていくというのは現実的ではありません。だからこそ、より効率化を図り、生産性を向上していくことに目を向けていく必要があるのです。それこそ、スマート農業を活用すれば、省力化・精密化や高品質生産を実現し、新規参入者の獲得や栽培技術の継承が期待できます。農業の省力化を図るためにも、まずは無料版のサービスを導入するなどして、最適なサービスは何か検討していくことが大切になるでしょう。

(参照:農林水産省「農業経営体・農業就業者」)
((参照:農林水産省「スマート農業とは、どのような内容のものですか。活用によって期待される効果を教えて下さい。」)

 

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