AIsmiley Magazine

AIsmiley編集部によるAI・人工知能サービスの導入事例や活用事例などの情報を記事にしてお届けします

業態業種別-AIの導入活用事例-

最終更新日:2019/11/8

コールセンター×AIで広がるパーソナライズサービスの導入事例


コールセンター×AIで広がるパーソナライズサービスの導入事例|人工知能を搭載した製品・サービスの比較一覧・導入活用事例・資料請求が無料でできるAIポータルメディア

少子高齢化や団塊世代の退職により、日本国内のさまざまな分野で人手不足感が強まりつつあります。特に、人的リソースを多く必要とする労働集約型の現場はその傾向が強く、コールセンターもそのひとつです。

また、コールセンターの稼働率向上や、人員のリテンション(引き留め)に悩む企業も少なくありません。そのため今回は、顧客だけでなくコールセンターで働くスタッフにもメリットを与える「AIを使ったサービス」についてまとめました。

■損保ジャパン日本興亜が実施したコールセンターへのAI導入事例

保険大手の損害保険ジャパン日本興亜は2018年3月、コールセンターにおけるAIの本格導入を実施したと発表しました。

同社では2016 年 2 月 から、自動車保険・火災保険・傷害保険などの一部のコールセンターにおいて「アドバイザー自動知識支援システム」を導入しています。これは、オペレーターと顧客の通話内容を音声認識技術によって記録し、そのデータに基づいて、オペレーターが使用するパソコン上にリアルタイムで最適な回答を表示させるというものです。

AIの学習精度を高めた結果、音声認識精度が導入当初の 80%台から 95%に近づき、さらに質問に対する回答候補の表示精度も80%を達成したといいます。

同社では、これに加えてAIを活用した共同実験も実施しています。現行のシステムでは、音声認識技術で聞き取った複数の会話履歴から、オペレーター自身が最も重要と思う箇所(顧客が問い合わせしたいポイント)の会話を選んで、回答候補の中から選択しなければなりません。

しかし、今回の共同実験では、AIが会話の内容を分析し、その内容に沿った回答のみを表示するようになります。そのため、オペレーターが自身で会話を選ぶ必要がなくなり、回答が迅速かつ適切になるのです。また、重要な箇所のみが表示されることで、応対履歴の入力もしやすくなります。

今回の共同実験では、保険契約の複雑な約款などをAIが「読む」ことで、契約内容を新たな知識として獲得し、回答文を自動作成するという取り組みも行っています。こうした実験を経て、将来的にはAIによる自動通話対応(バーチャルアドバイザー)の実現を目指すとしています。

(参照:損害保険ジャパン日本興亜「コールセンターにおける人工知能(AI)の本格導入を実施」

 

■コールセンターの顧客とオペレーターの相性でAIマッチングした米Afiniti社の事例

コールセンターの顧客とオペレーターの「相性」に着目しAIマッチングした米Afiniti社の事例|人工知能を搭載した製品・サービスの比較一覧・導入活用事例・資料請求が無料でできるAIポータルメディア

一方、コールセンターの顧客とオペレーターの「相性」に着目した取り組みもあります。

米スタートアップのAfinitiは、架電された順に機械的にオペレーターにつなぐのではなく、相性のよい同士を組み合わせるという画期的な取り組みで、成約率向上に結びつけています。人間だれしも、相性が良い人同士のほうが会話も弾みやすいものです。これはコールセンターの世界にも言えることで、決してオペレーターのスキルだけの問題ではありません。

同社は、AIで電話をかけてきた顧客の電話番号に紐づいた属性データを分析。相性のよいオペレーターを瞬時に探し出し、マッチングします。AIは、性別や年齢といった基礎情報だけでなく、社内外のデータベースも活用し、人間が思いつかないような斬新な組み合わせを提案することもあるといいます。相性の良い同士が話すことによって、解約防止やクロージング(契約)率の向上、追加契約の獲得などに成功し、導入企業では平均4%から6%の売り上げ向上が見込まれているそうです。

また、相性が良い相手を選んで話せることで、オペレーターの心的負担も軽減。ストレスが減少し、契約率が向上してモチベーションアップにもつながったことで、離職率も低下したといいます。

(参照:BizReach Frontier「人工知能(AI)が導く、コールセンターの新しい未来」

 

■レオパレス21のコールセンターではAI導入により年間約2,633時間の作業時間削減

不動産開発事業や賃貸事業を行うレオパレス21では、全国5カ所の拠点(埼玉、大阪、福岡、壱岐、新潟)にてコールセンターを運営しています。

同社のコールセンターに導入されているのが、音声認識ソリューションの「AmiVoice Communication Suite3(アミボイス コミュニケーション スイート スリー)」です。この音声認識ソリューションの導入によって、AI技術を活用したFAQ機能などの活用が可能になっています。質問に応じて適切な画面を表示させることができるため、応対するオペレーターはスムーズに案内を行うことができるのです。

また、通話はすべてテキストで保存されるため、書き起こしの時間を大幅に削減することもできます。テキストデータの分析によってクレーム内容の確認作業や評価診断などが大幅に軽減されるため、業務効率化にも大きく貢献できているといえるでしょう。

レオパレス21では、この音声認識ソリューションの導入によって年間約2,633時間の作業時間削減、そして約460万円のコスト削減が可能になるとしています。

(参照:レオパレス21 全国5拠点のコールセンター全席に音声認識ソリューションAmiVoice® Communication Suite3を導入」

 

■コールセンターへのAI導入において注意しなければならないポイント

コールセンターへのAI導入において注意しなければならないポイント|人工知能を搭載した製品・サービスの比較一覧・導入活用事例・資料請求が無料でできるAIポータルメディア

このように、コールセンター×AIによって一定の成果を上げている企業も多く存在していますが、ただAIを導入するだけで効果が得られるというわけではありません。AIの導入にはコストがかかりますので、事前に念密な計画を立てた上で実行していく必要があるのです。

たとえば、AIは日々進歩を続けているため、「AIを運用する体制」をしっかりと整えておかなければ長期間に渡ってAIを活用し続けることは難しくなるでしょう。

また、トラブルが起こる可能性があることも忘れてはなりません。AIを活用することによって業務効率化が図れるのは大きなメリットではありますが、AIへの依存度が高くなると、そのAIに不具合が生じた際に与える影響も大きなものになってしまいます。

したがって、何かしらのトラブルが発生した場合に、速やかに対処できるような管理体制を整えておくことが極めて大切になるでしょう。

 

■AIによるパーソナライズされたサービスの広がりがコールセンター業界を変える

電話やメール、チャットボットなど、文字と音声で顧客とコミュニケーションを図るコールセンターは、CRMの最前線として、接客のさまざまな取り組みが図られている分野でもあります。

AIによるパーソナライズされたサービスが広がることでコールセンター業界はますます新たな可能性が生まれてくるでしょう。そして、様々な選択肢が生まれる可能があるからこそ、AIの導入を検討する際は、しっかりとサービスを比較検討することが大切になるのです。

コールセンター業界への導入も日々進んでいるAIですが、その技術は未だ進歩を続けている状況にあります。進歩し続ける技術を最大限有効活用していくためにも、運用体制や管理体制を整えた上で、最適なサービスを検討していくことが重要になるでしょう。人手不足が深刻化する昨今において、いかにAIを有効に活用できるかどうかが、企業の成長を大きく左右する鍵となりそうです。

 

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