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最終更新日:2019/11/8

AI女子高生チャットボット「りんな」をビジネスに活用した事例

  • 編集部記事

AI女子高生チャットボット「りんな」をビジネスに活用してみた|人工知能を搭載した製品・サービスの比較一覧・導入活用事例・資料請求が無料でできるAIポータルメディア

2015年に登場した女子高生チャットボットの「りんな」。

Windowsをはじめ、ExcelやPowerPointといったビジネスライクなソフトウェアを多く手掛けるマイクロソフトがAI女子高生を開発したという意外性と、その性能の高さで人気を呼んでいます。今回は、りんなの技術をビジネスで活用する取り組みについて事例などと一緒に見てみましょう。

■LINEから活躍の場を広げ続ける元女子高生AI「りんな」 とは?

冒頭でもご紹介した通り、「りんな」は2015年にLINEに登場し、女子高生チャットボットとして大きな注目を集めました。2019年には登録ユーザー数を約763万人にまで伸ばし、Microsoft IMEの変換候補にも抜擢されています。このMicrosoft IMEというのは、日本語入力のシステムに表示される変換候補のことです。

マイクロソフトのIMEでは利便性だけでなく機能性やユーモアも追求しており、りんな変換候補によって最近の若者言葉なども予測候補に表示されるようになっています。なお、りんな変換の候補は、インターネット上から収集した会話の情報をもとに作成されているため、マイクロソフトが個人情報を収集しているわけではありません。

(参照:日本マイクロソフト「ソーシャル AI チャットボット「りんな」を活用した新たなデジタルマーケティングソリューションを提供開始」)

 

■AIチャットボット「りんな」のテクノロジーをオリジナルキャラに活用

りんなの開発技術は、「Rinna Character Platform(リンナキャラクタープラットフォーム)」として、第三者への提供もされています。同プラットフォームを活用し、オリジナルキャラクターを作成することも可能です。

りんなのテクノロジーを活用したAIチャットボットとして知られているのが、2016年に登場したローソンの「ローソンクルー♪あきこちゃん」です。りんなといえば、「まじ?」「やば!」といった女子高生口調でおなじみですが、あきこちゃんはローソンでバイトするまじめな女子大生というキャラクター設定なので、女子高生口調ではなく丁寧で控えめな口調で受け答えをします。

また、表記揺れや語尾の調整などを行うことができるのも、あきこちゃんに導入されている「Rinna Character Platform(リンナキャラクタープラットフォーム)」の大きな特徴です。たとえば、「見たい」という言葉でも、「見たーい」「見たいなぁ」「見たぁい」といういくつかのパターンにて表現されることがあります。しかし、インターネット上で収集したデータをもとに、「もっとも標準的な表現」を導き出し、あきこちゃんとして適切な「見たい」という言葉を選択することが可能なシステムになっているのです。

さらに、あきこちゃんはLINE上で質問に答えてくれたり、近くのローソンを探してくれるほか、ローソンに関連した用語だけを使う「ローソンしりとり」、占いやゲームでも一緒に遊べます。また、会話の中で、きまぐれにオトクなクーポンを発行してくれることもあるそうです。

(参照:ローソン研究所「ローソンクルー♪あきこちゃん」 )

 

■渋谷区でもりんなの技術を応用したAIチャットボットを導入

渋谷区でもりんなの技術を応用したAIチャットボットを導入|人工知能を搭載した製品・サービスの比較一覧・導入活用事例・資料請求が無料でできるAIポータルメディア

ローソンの他にも、りんなの技術を応用したAIチャットボットとして、東京都渋谷区が導入した「渋谷みらい」があります。

日本で初めて特別住民登録されたAIとして話題を呼んだ渋谷みらいは、渋谷区に住む小学3年生の9歳というキャラクター設定。なんと2017年11月4日から渋谷区民になっています。

LINEを通じてユーザーと会話したり、手紙のやりとりや簡単なゲームをしたりするのは、ローソンのあきこちゃんとも似ていますが、ユーザーから送られた顔写真を渋谷駅前の「モヤイ像」風に加工してくれるなど、渋谷区らしい機能も搭載されています。

また、活躍の場はLINE上だけではありません。渋谷区のカウントダウンイベントに登場して音声会話を行ったり、アニメ映画「未来のミライ」とのコラボレーションを行ったりと、渋谷区のPR担当としても活躍しています。単なるAIとしてだけでなく、「渋谷みらい」というキャラクターを確立することによって、渋谷区の活性化へとつなげることができているのです。これはまさに、りんなの技術を最大限活用している事例といえるのではないでしょうか。

(参照:東京都渋谷区「住民AI 渋谷 みらい」)

 

■AIチャットボットりんなをマーケティングツールとして活用

りんなさん、原宿へ。WEGO女子高生AIりんな店員Debut|人工知能を搭載した製品・サービスの比較一覧・導入活用事例・資料請求が無料でできるAIポータルメディア

りんなをマーケティングツールとして活用した事例もあります。

若者に人気のアパレル大手ウィゴー(WEGO)では、「女子高生りんながウィゴーでアルバイトしてみた」という設定で、Eコマース上にりんなを登場させています。ユーザーのコーディネート画像にコメントする「りんなのファッションチェック」や、ファッションへのアドバイスなどもしてくれます。

これは、画像認識技術をもとに、スタイリングやアイテム、年齢等を推定し、コメントを返してくれるという機能です。これまでにもLINEやTwitterなどでファッションチェックを行うことはできましたが、Eコマース上では、さらにチェックポイントが強化されており、豊富なバリエーションのコメントを受けられるようになっています。

ウィゴーではりんなに、ファッションという知識を学習させて、10代の女の子が持つファッションに関する感性や興味をキャラクター性に取り込む狙いがあると説明しています。また、「意外と鋭くて深い」と評判の高いりんなの会話技術をもとにEコマース上でユーザーとの対話を展開して、新たなファンの獲得を目指しているようです。

ウィゴーの事例の他にも、地方自治体とりんなが提携して観光や町おこしを盛り上げる取り組み「萌えよが始まっています。こちらはまさにマーケティングミックスの4C(Consumer、Cost、Convenience、Communication)における「マーケティングコミュニケーション」の取り組みと言えるでしょう。

(参照:WEGO「りんな×WEGO 女子高生AIりんなアルバイトデビュー!!」)
(参照:日本マイクロソフト「萌えよ♡ローカル ~りんなと地方とみんなの未来~ とは」 )

 

■りんなは「共感」と「対話」を重視したAI

りんなの特徴は、聞かれたことに答えるだけではなく、ユーザーが「共感」し、会話を続けることができる能力にあります。

りんなは、「共感モデル」と呼ばれる会話エンジンを採用し、人間の感情に寄り添って対話することに主眼が置かれています。ユーザーとの会話の中で、「新しい話題を切り出す」、「質問する」、「相手の発言を肯定する」、「積極的に聞き手に回る」などといった、人間同士の会話で生まれる対話スキルをもとに受け答えが作成されており、より長く対話が続くようにユーザーに対する返答を促すのです。

チャットボットというものに対し、「機械的な応答しかできないのではないか」といった先入観を持たれていた方も少なくないでしょう。しかし、りんなのように柔軟な対応や、より身近に感じられる言葉遣いを活用できれば、より顧客との距離感を縮めることも可能になります。

そのため、りんなをはじめとする「共感モデル」のAIは、顧客との「one-to-one(ワントゥワン)」の対話がより求められるようになってきたセールスの領域などでの普及が期待できるでしょう。最近では、カスタマーサービスの新たな担い手として期待される、チャットボットにも「共感モデル」に近いAIが搭載されたサービスが増えています。

AIの開発には、莫大なコストや長期間を要することが少なくありません。しかし、チャットボットは、マーケティングやカスタマーサービスなどに必要な機能がパッケージ化されているサービスも多く、導入のハードルは決して高くありません。この機会に自社のマーケティング活動の一環として、または顧客対応の効率化としてチャットボットを検討してみてはいかがでしょうか。

 

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