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最終更新日:2019/12/5

AIを活用した異常検知、故障予測の仕組みとは?

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■十分なデータが存在しない場合の異常検知、故障予測の手法|人工知能を搭載した製品・サービスの比較一覧・導入活用事例・資料請求が無料でできるAIポータルメディア

AI・人工知能やIoT(Internet of Things)の技術が進歩したことにより、最近では多くの商品やサービスにAIが用いられ、より高度な操作を行えるようになりました。そしてそれは、機械の異常を検知したり、故障を予測したりする場面でも活用されるようになってきています。

AIを活用した異常検知、故障予測とはどのような仕組みで成り立っているのでしょうか。また、異常検知や故障予測を行う際に注意すべき点などはあるのでしょうか。今回は、AIを活用した異常検知、故障予測の仕組みについて詳しくご紹介していきます。

■異常検知、故障予測とは

■異常検知、故障予測とは|人工知能を搭載した製品・サービスの比較一覧・導入活用事例・資料請求が無料でできるAIポータルメディア

異常検知とは、AIが計測値を機械学習することによって、異常をいち早く検知するための手法です。大量の計測値を機械学習させることによって、仮にそれが未知のパターンであっても、複雑なパターンであっても、蓄積された過去のデータをもとに異常かどうかを検知することができます。

そのため、不正な取引を検知するために用いられたり、工場などでの装置の故障予測に用いられたり、大規模な施設内の機器を監視するために用いられたりと、さまざまな業種での活用が進んでいる状況です。そんな異常検知は、以下の3つの手法に分別することができます。
 

・基準値ベース

事前に定義しておいた「正常範囲」の数値を超えた場合に異常として検知する。
 

・教師あり学習

過去の蓄積されたデータからパターンを見出して新しいデータが異常現象に当てはまる確率を算出する。
 

・教師なし学習

十分な過去のデータが存在しない場合でも既知のデータをグループ分けして異常を検知する。

こういった3つの手法に分別できる異常検知ですが、実行する際には以下のように注意しなければならない事項が存在します。
 

・システムへの理解を深めておく必要があること

ログが出されてから解析するまでには一定の時間を要するため、そのタイムラグをしっかりと考慮した上で設計していくことが大切になります。また、経年変化を考慮した上でモデル更新を行っていく必要もあるでしょう。
 

・判断基準を設けておくこと

教師あり学習の場合、明確に「異常である確率」を算出していくことが可能ですが、教師なし学習の場合はそのような確率を算出することはできません。したがって、異常であるかどうかを判断するための別の判断基準をしっかりと設けておくことが大切になります。
 

・複数の手法を活用して正しい答えを導き出すこと

教師なし学習の場合、正解の定義は存在しないため、そのひとつの手法だけに頼ってしまうと正確な答えを導き出せない可能性があります。そのため、その手法がどのような分析を得意としており、どのような部分を苦手としているのかを理解した上で、複数の手法を用いたほうが正確な答えを導き出せる可能性は高まるでしょう。

(参照:株式会社スカイディスク AIを活用した故障予知・異常検知の手法と注意点)
(参照:SAS AIによる異常検知・故障予測)

 

■十分なデータが存在しない場合の異常検知、故障予測の手法

AIを活用した異常検知、故障予測の仕組みとは|人工知能を搭載した製品・サービスの比較一覧・導入活用事例・資料請求が無料でできるAIポータルメディア

十分にデータが存在しない場合には教師なし学習を用いることになるわけですが、この教師なし学習にもいくつかの手法が存在し、それぞれ異なる特徴を持っています。それぞれどのような特徴を持った手法なのか、詳しくみていきましょう。
 

・SVDD

SVDDというのは、1クラス分類を目的とする場合の教師なし学習法です。学習する際に、少数派クラスのサンプルをほとんど得ることができないというケースにおいて有効な手法とされています。そのため、SVDDは異常の実例が少ないデータにおいてもうまく機能するのが特徴です。
これは、2つのデータ間の類似度を表すカーネル関数を活用することで、正常な状態の領域をモデル化していくというものになります。
 

・PCA

PCAは、「主成分分析」というデータ解析手法のうちのひとつです。データが持っている情報を可能な限り損なわないようにしつつ、そのデータの全体的な雰囲気を可視化していくことができます。このPCAによる異常検知は、まず正常な領域のデータを定め、その領域から外れるデータを異常として検知するという仕組みです。異常検知だけでなく、パターン認識などの場面に活用することもできます。
 

・RPCA

PRCAは、主成分分析というデータ解析手法のひとつであり、PCAにおける統計的基準に修正を加えたものです。特徴としては、他のデータとは大きく数値がかけ離れているようなデータにも対応することができるという点が挙げられるでしょう。そのため、異常検知や画像処理、行列圧縮といったものに活用されるケースが多くなっています。
 

■AIによる故障予測・予知保全の導入フロー

では、AIによる故障予測・予知保全のシステムを導入するためには、どのような手順を踏んでいけば良いのでしょうか。ここからは、あくまでも一例ではありますが、実際の導入フローをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
 

1.データの取得

取得したデータの有効性を検証していきます。また、通信方式やハードウェア構成、必要機材など、実際の運用時に合わせたデータ収集システムの検討を行っていきます。
 

2.外付けセンサーの検討

より質の高いデータを収集するためにセンサーを選定していきます。この際、センサーの種類やサンプリングレート、取り付ける場所といった情報の収集を行っていきます。
 

3.前処理

AI学習用のデータセットを作成していきます。具体的には、データの自動抽出や成形、学習に適したデータへの変換といった作業です。
 

4.学習

学習するための環境を整えていきます。環境が整ったら、学習結果の評価や、その結果をもとにした再トライなどを行っていきます。
 

5.実装・運用

そして最後に、AIを導入するハードウェアの検討を行っていきます。ハードウェアの構成が完了したら、運用が開始されます。

最近では、設備や工程だけでなく、工場全体の一元管理を支援している企業も少なくありません。異常検知、故障予測に関する知識をお持ちではない場合には、こういった一元管理の支援を行っている企業の利用を検討していくのもひとつの手段と言えるのではないでしょうか。

より効率的に業務を行うために機械を導入していても、その機械の故障を事前に予測する体制が整っていなければ、結果的に生産性を低下させてしまう可能性も否めません。そのような事態を避けるためにも、AIを活用した異常検知、故障予測のシステムは欠かせないものといえるでしょう。

(参照:マクニカ 異常検知・故障&劣化予測)

 

異常検知AIのサービス比較と企業一覧を見る

 

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